ドル高継続か、115円突破の可能性如何に
〇本日のドル円、115円手前まで一時上昇、16時現在114.85前後で推移
〇ここ数日114円挟んだ動きたどるも、昨日欧米時間にレンジ上放れ
〇昨日16日発表の米経済指標好数字、米金利上昇がドル一段高の支援要因に
〇本日は米10月住宅着工件数、米当局者による発言機会に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.40-115.40、115円の壁が最初のターゲット
〇ドル安・円高方向は114.70レベルがサポート、割り込んでも底堅く114円台では下げ止まりか
<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場はドルが続伸。前日の欧米時間に年初来高値を更新するなか、本日さらに値を上げ115円手前まで一時上昇している。
ドル/円は114.80円前後で寄り付いたのち、前日NYの流れを継ぎドル買い優勢。そのまま一気に115円へと迫る動きとなったが超えられず。その後は114.65-95円といったドルの高値圏での保ち合いをたどっている。16時現在では114.85円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、ここ最近連日の安値更新を記録しているトルコリラは、本日も冴えない。対ドル中心に依然として下値を試す展開をたどっている。
一方、材料的に注視されていたものは、「台湾情勢」と「米国情勢」について。
前者は、新華社通信が昨日の東京時間に開催された「米中首脳のオンライン会談」において、習国家主席は「台湾独立」勢力が一線を越えた場合、中国は「断固たる措置」を取らなければならないと牽制したと指摘。また、報道を裏付けるかのように「台湾防空圏に中国軍機8機進入した」とも台湾メディアで報じられている。一触即発の気配も否めず、波乱含み。また、それとは別に中国の張駐EU大使から「台湾に対する中国の立場は変わらない」との発言が聞かれていたようだ。
対して後者は、幾つか興味深いニュースが伝えられ、それぞれ話題に。たとえば、バイデン氏が「今後4日前後のうちFRB議長職に関して発表」、「1週間以内の大型歳出法案の議会通過に自信」などと発言したほか、イエレン財務長官は公共ラジオで「12月3日以降の政府資金」問題、つまり債務上限の話について危機感を示すコメントを発したことも思惑を呼んでいた。後者は足もとのドル高傾向に冷や水を浴びせることになりかねない。
<< 欧米市場の見通し >>
ここ数日のドル/円は114円を挟んだ動きをたどっていたが、昨日の欧米時間にレンジを上放れ。年初来高値を更新すると、本日東京では一時115円に迫る局面も観測されている。個人的には、予想したタイミングよりやや早いものの、リスクがドル高方向に高いことは間違いなさそうだ。ちなみに、115円は心理的にもかなり重要な抵抗で、超えれば取り敢えずは115円半ばがターゲットとなる。
日米欧英など各国の金融政策が引き続き注目されるなか、昨日は発表された米経済指標がこぞって好数字となり米金利も上昇。ドル一段高の支援要因になったことは間違いない。日米金利差の拡大見通しが強い環境下、本日も引き続き発表される米経済指標の内容には注意を払いたいところだ。また、ある意味ではドル/円よりも注目度の高いユーロ相場やトルコリラの動きなどにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は上方向のテクニカルポイントを次々抜けると、ついには115円手前へと達してきた。115円のオファーはだいぶ分厚いものの、ストップロスも逆に多いだけに、しっかり抜ければ一時的にせよ値が飛ぶ可能性を否定できないだろう。その場合のターゲットは115円半ばになる。対して、ドルのサポートはこれまで抵抗だった114.70円や114.30円など。113円台は少し遠くなった感がある。
材料的に見た場合、中長期的には、北京五輪をめぐる米国との軋轢も取り沙汰されはじめた「中国情勢」、米国のファウチ氏がやや楽観的な見通しを示したとして一部で話題の「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月の住宅着工件数などが発表される予定だ。果たして連日の好数字となるのだろうか。またボウマンFRB理事やウォラー同理事など、米当局者による講演などの発言機会が依然多く予定されている。本日も要人発言にも一応の注意を要したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.40-115.40円。本日東京で超えられなかった115円の壁が最初のターゲット。抜ければ115円半ばが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、これまでの抵抗114.70円レベルが取り敢えずはサポートか。ただ、割り込んでも底堅そうで、114円台では下げ止まる公算が大きい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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