ドル円、米金利上昇・米株上昇の組み合わせで約1ヵ月ぶり高値圏へ急上昇(11/17朝)

16日(火)のドル円相場は急上昇。

ドル円、米金利上昇・米株上昇の組み合わせで約1ヵ月ぶり高値圏へ急上昇(11/17朝)

ドル円、米金利上昇・米株上昇の組み合わせで約1ヵ月ぶり高値圏へ急上昇

〇ドル円、114.70まで急伸(編集部注:6:30現在は高値114.84)
〇米中オンライン会談は対話の強化、平和的共存で一致
〇米10月小売売上高、鉱工業生産の力強い結果等を受けての米長期金利上昇もサポート
〇米長期金利上昇にドル買い強まり、ユーロドルは1.1315まで急落
〇ドル円テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル高円安トレンド継続材料複数残る
〇本日も米指標、FRB要人発言多く神経質な展開か
〇本日の予想レンジ:114.20ー115.10

海外時間のレビュー

16日(火)のドル円相場は急上昇。@バイデン米大統領と習近平国家主席のオンライン会談にて「両国は対話を強化し、平和的に共存すべきだ」との見解が示されたことや、A日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、B米10月小売売上高(結果1.7%、予想1.2%)および、C米10月鉱工業生産(結果1.6%、予想0.7%)の力強い結果、D米10月輸出入物価指数の市場予想を上回る結果、Eセントルイス連銀ブラード総裁によるタカ派的な発言(FRBはテーパーを加速すべき。2022年に2回の利上げを予想している)、F上記BCDEを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは10/26以来となる1.63%へ急上昇)、G米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、米国時間午後にかけて、10/20以来、約1ヵ月ぶり高値となる114.70まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/17午前5時10分現在)では、114.68前後で推移しております。

16日(火)のユーロドル相場は急落。@米経済指標の力強い結果や、A米当局者によるタカ派的な発言、B上記@Aを背景とした米長期金利の急上昇、C欧米金融政策の方向性の違い(ユーロ売り・ドル買い圧力)、D英EU間における北アイルランド議定書を巡る警戒感、Eドイツ10年債利回りの低下、F欧州経済を巡る先行き不透明感(新型コロナウイルスが欧州圏で感染再拡大)、Gテクニカル的な地合いの弱さが重石となり、米国時間午後にかけて、昨年7月以来、約1年4ヵ月ぶり安値となる1.1315まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/17午前5時10分現在)では、1.1318前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時114.70まで急伸するなど、10/20に記録した約4年ぶり高値114.71に迫りました(現在も114.68前後で推移するなど、引き続き高値更新が射程圏内)。強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーも継続しており、テクニカル的に見て地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@世界的なインフレ懸念(インフレが一過性で終わらないリスクを織り込む展開)や、A上記@を背景とした米利上げの前倒し観測、B日米金融政策の方向性の違い(来年の複数回利上げを織り込む米国と、金融緩和の長期化姿勢を続ける日本との金融政策格差。黒田日銀総裁は11/15、「物価上昇率1%でも金融緩和措置を緩めること全く考えてない」と発言)、C米主要株価指数の堅調推移(米利上げ観測が高まっても米株が崩れない安心感→リスク選好ムード)など、ドル高・円安トレンドの継続を意識させる材料が複数残っております。

こうした中、本日も昨日同様、米主要経済指標(米10月住宅着工件数や米10月建設許可件数など)や、米当局者発言(ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、ボウマンFRB理事、クリーブランド連銀メスター総裁、ウォラーFRB理事、サンフランシスコ連銀デーリー総裁、シカゴ連銀エバンス総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁)を睨みながらの神経質な展開が予想されます。米経済指標が力強い結果となった場合や、米当局者よりタカ派的な発言が出てくる場合には(先週発表された米CPIの急上昇を受けてタカ派的なスタンスにシフトする参加者が増えれば)、米経済の回復期待→米主要株価指数上昇→リスク選好の円売りの経路と、米早期利上げ観測の高まり→米金利上昇→米ドル高の双方の経路でドル円にはもう一段強い上昇圧力が加わるものと推察されます。目先は10/20に記録した約4年ぶり高値114.71や、心理的節目115.00を試す展開となりそうです。

本日の予想レンジ:114.20ー115.10

注:ポイント要約は編集部

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