ドル高値圏で推移も、レンジ取引は継続か
〇本日のドル円、114.30-35へと小幅に値を上げる、高値示現後は上げ渋るもドルが小高い
〇ここ数日ドル高値圏で推移するもレンジは上抜けられず、114円±30銭でドル強保ち合いの様相
〇レンジを上下どちらに抜けるか方向性が注視されるが、しばらくは114円挟みのレンジ取引続くか
〇本日、10月小売売上高・鉱工業生産発表、昨日に続く好数字の内容となるのか注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.70-114.60、114.30レベルをめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、113.70-80が強い下値メド、下値は堅く大崩れは予想しにくい
<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場はドルが小高い。引き続きレンジ内ではあるものの、その上限に近い高値圏での推移をたどっている。
ドル/円は寄り付いた114.05-10円を日中安値にじり高推移。東京時間午前に行われた米中首脳会談をにらみつつ、ドルは114.30-35円へと小幅に値を上げている。しかし、高値を示現後は上げ渋り。114.10-25円といったレンジ取引をたどるなか、16時現在では114.20円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、引き続きトルコリラが下げ止まらず、対円などでは連日の最安値更新。またユーロも軟調で、対円では129.60円割れを一時うかがう局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中首脳会談」と「日米情勢」について。
前者は、東京時間午前に開始され3時間以上にも及んだ「米中首脳のオンライン会談」だが、結果として「大山鳴動して鼠一匹」。少なくとも、ドル/円相場は同会談があまり材料視された感はない。ちなみに、日経新聞では会談について、「対話を継続すべきだとの方向性で一致したが、台湾や人権など個別のテーマでは原則論で応酬を続けた」と報じている。ただ、長時間の会談のうえ、制裁措置や台湾をめぐる緊張など話し合われたテーマが多岐にわたったこともあってか、市場はいまだ材料として消化し切れていないとの指摘も聞かれていた。このあと、欧米時間に材料として蒸し返される可能性もあるか。
対して後者は、テレビ東京が来日中のレイモンド米商務長官にインタビューを行い、「TPPに代わる経済連携を目指す意向」を明らかにしたと報じ話題に。また、広範な分野で日本など友好国との協調体制を構築する意欲を示していたという。そうしたなか、シャーマン国務副長官と日本の森外務事務次官が18日に首都ワシントンで会談し、岸田首相の初訪米などの調整が進められる見込みと伝えられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は本日東京時間を含め、ここ数日間114円を挟んだドル高値圏で推移するも、レンジは上抜けられず。114円±30銭といった高値圏で、ドルは強保ち合いの様相だ。足もとのレンジを上抜け年初来高値をトライあるいは更新するのか、それとも分厚いオファーに阻まれ112円台へと押し戻されるのか、次の方向性が大いに注視されていることは間違いないだろう。
日米欧英など各国の金融政策が引き続き注目されるなか、短期的には発表される米経済指標などに要注意。昨日は発表された11月のNY連銀製造業景況指数が大きく改善したものの、本日東京時間の米中首脳会談などもあり積極的な動意は手控え気味だった。つまりドル高への反応はいまひとつだったが、市場では間違いなくドルの支援要因といった声がある。本日も米指標の好数字が続くようだと、今度こそ市場はドル買いに反応する可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は上値が重い反面、下値も堅くそのため結果として114円挟みでの強保ち合い。足もとのレンジを上下どちらに抜けるのか、その方向性が注視されている。個人的には上方向へのリスクを警戒、114.44円や114.69円をトライする動きを予想しているが、もうしばらくのあいだは前述した114円挟みのドル強保ち合いが続く公算が大きいのかもしれない。
材料的に見た場合、中長期的には、台湾情勢などをめぐり米国との深い亀裂を露呈した「中国情勢」、ここ最近は子どもや若年層へのワクチン接種の問題がそこここで取り沙汰されている「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月の小売売上高や同鉱工業生産などが発表される予定だ。昨日に続く好数字の内容となるのか否かにまずは注目したい。また、リッチモンド連銀総裁やアトランタ連銀総裁など、米地区連銀総裁が相次ぎ講演を行う予定であるため要人発言にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.70-114.60円。時間足ベースで直近少なくとも2度は上げ止まっている114.30円レベルをめぐる攻防に注目。抜ければ114.44円、114.69円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ごく目先は114円前後も弱いサポート。ただ、意味あるレベルとなると、直近安値を含めた113.70-80円が強い下値メドに。いずれにしても下値は堅く、大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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