米10月消費者物価指数(CPI)の予想
本日は米国10月消費者物価指数(CPI)が公表されます。米国は11月7日に標準時間に戻りましたので、前回より1時間遅れの発表になります。
前回のCPIは全体が予想をやや上回り、コアは予想通りになりました。10月は一段と物価が上昇する予想となっています。これはエネルギー関連の資源高や需給バランスの崩れによるものとしています。昨日の卸売物価指数は予想通りになりましたが、年率ベースでは高止まりしているので、消費者物価への跳ね返りも想定されます。FOMC以降、10年債中心に金利低下局面を迎えていますが、今回のCPIは予想通りとなっても高い数値ですので、米金利がどの様に反応するのかを見たいと思います。
今回予想
(11月10日9時現在)
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャートを見ると、過去の高値を結んだ青(0.6%)の横線までの上昇予想になっています。移動平均線はやや下がります。この先は0.6%付近での高止まりが予想されます。
下記チャートでは赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=コアPCE)となっており、引き続きコアCPIもコアPCEも目標値を大きく上回っています。9月のFOMCで2021年末コアPCE予想を3.7%(下図の黒い線)に引き上げていますが、オレンジのコアPCEはかろうじてその上限を守っています。今回、青のコアCPIが上昇していますので、予想通りならいずれオレンジにも影響を与えると思われ、12月のFOMC会合で再度コアPCE予想を上方修正する可能性に繋がります。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒はFOMC予想値、緑より右は今回予想値)
注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。
下図はドル円の日足チャートです。先週水曜日のFOMC以降は4連続陰線になりました。既に9月22日底値からのドル高サポートラインA(=115円65銭)は下抜けているので短期的にドルは弱い状態になっていましたが、抵抗線B(=114円25銭)とそこから平行に下したC(=112円95銭)の短期ドル安トレンドの下限も切ってきました。まだ絡んでいるので騙しの範囲内ですが、もし今日も下抜けて終わると、当面は10月8日の窓D(=112円24銭)を埋めてくるか否かとなります。上値はここ4連続陰線の抵抗線E(=113円45銭)を越えて終わらない限りトレンドライン内のBまで戻すエネルギーがありません。まだ中期ではドル高トレンドを維持しているので、この下押しがどこまであるのかを探る流れにいます。今日の相場はCPIが予想通りになった場合の10年債金利と株価の動向をウォッチしたいと思います。
(2021年11月10日10:20、1ドル=112円83銭)
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