米FOMCに注目、レンジ放れへの期待感も(21/11/3)

3日の東京市場はレンジ取引。「文化の日」の休場で東京勢の参加が乏しいなか、一時ドルの下押し圧力が強まりかけたが続かなかった。

米FOMCに注目、レンジ放れへの期待感も(21/11/3)

米FOMCに注目、レンジ放れへの期待感も

〇ドル円113円台後半で一進一退
〇113.25-114.69、方向性の乏しい往来相場が長期化、次の一手待ち
〇本日、米FOMCで、米国のテーパリングが開始されるとの見方が市場のコンセンサス。
〇リスクという点ではドル高方向を予想する声が優勢
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場はレンジ取引。「文化の日」の休場で東京勢の参加が乏しいなか、一時ドルの下押し圧力が強まりかけたが続かなかった。

ドル/円は113.90-95円で寄り付いたのち、基本的には揉み合い。ただ日米株価の動きをにらみつつ、114円前後を日中高値に113.75円レベルへと、小幅に軟落する局面も。とは言え基本的には米FOMC待ちの様相で、円買い機運も盛り上がらず。下値攻めも失敗に終わると、113円後半での一進一退となり、16時現在113.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「岸田首相の動静」と「新型コロナ」について。
前者は、わずか半日程度の外遊・英国滞在となるなか、岸田首相が精力的な動き。出席したCOP26で「脱炭素めぐりアジアに100億ドル追加支援」を表明したことに加え、バイデン米大統領と短時間ながら個別の会談を実施。また、COP26議長国である英国のジョンソン首相とも会談を行い、「世界の脱炭素化に向けて協力する考えで一致した」という。一方、当の岸田首相は日程の合間を縫い、記者団に対して年内にも訪米したい意向を示したと伝えられている。

対して後者は、新型コロナ感染が再拡大し医療体制が逼迫するなか、オランダが抑制策の再導入を正式決定。また、先月末から首都モスクワがロックダウン入りしているロシアは「コロナ死者が過去最悪更新」し、各地でさらなる追加措置導入の検討などと報じられていた。欧州地域での感染拡大が依然として懸念されている。なお、そうしたなか米疾病対策センター(CDC)は、感染レベル最大の「4」にロシアなど4ヵ国を追加したことを明らかにしていた。

<< 欧米市場の見通し >>

気が付くと、ドル/円のレンジ取引は2週間を超えてきた。113.25-114.69円と多少ワイドながら、方向性の乏しい往来相場が長期化している。そんなレンジ取引がいましばらく続く可能性も否定できないが、今週は注目材料が少なくなく、価格ではなく時間調整を終えたのち、次の方向性としてドルは再び上値追いをたどるのか、レンジ放れの次の一手が注目されている。
本3日に結果が発表される11月の米FOMCで、米国のテーパリングが開始されるとの見方が市場のコンセンサス。2022年半ば完了シナリオを含め、すでに市場にはほぼ織り込まれている感も。いずれにしても、そのFOMCならびに、終了後のパウエルFRB議長の記者会見にまずは要注意。ちなみに、リスクという点ではドル高方向を予想する声が優勢だが、「米株高の調整に繋がるとドル安進行」との見方も一部で指摘されていた。

テクニカルに見た場合、ここ最近のドル/円は結果として114円前後で次の方向性を探る展開だ。ドル高基調の時間調整と言えるかもしれない。そんなレンジ取引が続くか否か、最初の正念場が本日となり、思わぬ動きにも注意を払いたい。年初来高値114.69円を超えれば115円台乗せが現実のものとなりそうな反面、10月28日安値の113.25円をしっかり割り込めば、112円台も。

材料的に見た場合、中長期的には、いわゆる「電力不足問題」もあり米国産LNG大量購入思惑も取り沙汰されている「中国情勢」のほか、欧州を中心とした感染拡大懸念が続く「新型コロナ問題」、「日米欧などの金融政策」−−などが注視されている。
一方、本日は10月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といったなかなか重要な米経済指標が発表されるほか、米FOMCの結果発表ならびにパウエルFRB議長の記者会見が実施される。波乱の一日となる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40円。まず本日東京高値の114円前後が最初の抵抗か。超えれば直近高値114.44円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値113.46円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むようだと、10月28日安値113.25円が意識されそうだ。(了)

米FOMCに注目、レンジ放れへの期待感も

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