ドル円、FOMC後に上下するも方向感見出せず。ドル高・円安基調の再開を想定
〇ドル円、FRBのテーパリング開始決定と長期金利、株価上昇に一時114.21まで上昇
〇その後はパウエル議長の会見での利上げに慎重なハト派姿勢に114円前後に反落
〇ユーロドル、ECBラガルド総裁のハト派発言に1.1562に下げるもFOMC後1.1616まで反発
〇FOMC、月間150億ドルのテーパリングを11月開始決定
〇ドル円は上下しつつも方向感を見出すには至らず
〇FRBインフレ一過性説をやや後退させ、テーパリングを早々に開始する等スタンスはタカ派的
〇引き続き、ドル円相場の上昇=ドル高・円安基調の再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:113.70ー114.50
海外時間のレビュー
3日(水)のドル円相場は下落後に反発。米国時間朝方にかけて安値113.72まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@米10月ADP雇用統計(結果57.1万人、予想40.0万人)及び、A米10月ISM非製造業景況指数(結果66.7、予想62.0、※1997年の統計開始以来最高)の力強い結果や、B米FOMCのタカ派的な内容(12月からでは無く、11月から月間ペースで米国債100億ドル、住宅ローン担保証券50億ドルの削減を決定)、C上記Bを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは1.52%から1.59%へ上昇)、D米主要株価指数の底堅い動き(テーパリング決定→米金利上昇の流れを受けても尚、米ダウ平均株価が史上最高値更新)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値114.21まで反発しました。EパウエルFRB議長による「まだ利上げのタイミングではない」「FRBは利上げに関して忍耐強くいることができる」といったハト派的な発言を受けて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/4午前5時00分現在)では、114.00前後で推移しております。
3日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@ラガルドECB総裁による「来年利上げする可能性は非常に低い」とのハト派的な発言や、A米経済指標の力強い結果(米10月ADP雇用統計、米10月ISM非製造業景況指数)が重石となる中、米国時間にかけて安値1.1562まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、BパウエルFRB議長によるハト派的な発言や、C短期筋のショートカバー、D株高に伴うリスク選好のドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1616まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/4午前5時00分現在)では、1.1605前後で推移しております。
本日の見通し
注目された米FOMCで、月間150億ドル(米国債を100億ドル、住宅ローン担保証券50億)のテーパリング開始(※11月からスタートし、順調にいけば8ヵ月後の2022年6月でテーパリング終了)が決定されたものの、パウエルFRB議長が利上げに対する慎重姿勢を崩さなかったことで、ドル円は上下しつつも方向感を見出すには至りませんでした。
但し、@声明文の中でインフレに対する表記を、従来までの一時的な要因を広く反映(Inflation is elevated, largely reflecting transitory factors.)という表現から、一時的であると見込まれる要因を広く反映(Inflation is elevated, largely reflecting factors that are expected to be transitory.)に微修正したこと(インフレが一過性であるという認識を僅かに後退)、A上述の通り、テーパリング開始を12月からではなく11月から開始することを決定したことなどを踏まえると、今回のFOMCは総じてタカ派的であったと捉えることが出来そうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇=ドル高・円安基調の再開をメインシナリオとして予想いたします(日米金融政策の方向性の違いに着目したドル買い・円売りと、米主要株価指数の堅調推移を背景としたリスク選好の円売り圧力がドル円の支援材料。米長期金利上昇+米主要株価指数上昇の組み合わせで10/20に記録した約4年ぶり高値114.71を試すシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:113.70ー114.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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