高値推移のNYダウ注視、為替は基本レンジか
〇本日のドル円、114円挟みの30ポイントに満たない狭いレンジの値動きにとどまる
〇来週FOMCまで113.42-114.69といったレンジ内取引しばらく続くか
〇本日は9月耐久財受注速報、財務省5年債入札、企業決算等の米経済指標に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.50-114.50、昨日高値114.31が目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は、113.50-60のサポートをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場はレンジ取引。114円挟み、30ポイントにも満たない狭いレンジ内での値動きにとどまっている。
ドル/円は114.10-15円で寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意に欠ける。株価や金利の動きに一喜一憂しつつも、大きな動意は見送られていた。日本は今週末に衆院選を控えており、それに向けた政治ファクター、たとえば「麻生副総理の失言」なども波乱要因として一部で囃されていたものの、実際の価格変動には繋がらず。16時現在、ドル/円は114円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「国際情勢」と「中国情勢」について。
前者は、岸田首相自身がテレビ番組で「月末のCOP26へ出席」する旨を明らかに。そうしたなかサリバン米補佐官が「岸田首相が出席すれば、バイデン大統領と顔を合わせる機会はあるはず」と指摘し、COP26とあわせ日米首脳会談が開催される可能性に言及していた。また、衆院選に向けた遊説中ながら、27日に開催されるオンライン形式の南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に岸田首相が出席することも発表されている。
対して後者は、なかば予想されていたことだが、台湾外相の東欧訪問に中国外務省が猛反発。「関係国が台湾独立の分裂分子を黙認したことに断固反対する」などと矛先を東欧諸国に向けたコメントも発せられていた。一方、それとは別に、新華社通信によると習国家主席が会議で、「人民解放軍の軍備と兵器開発の促進を求めた」ほか、国家発展改革委員会が主要な業界の企業を集めて会合を開き、「外貨建て社債の償還や利払いを着実に履行するよう求めた」という。恒大集団のデフォルト懸念を受け、引き締めを図ったようだが効果のほどは果たして如何に。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は高値114.69円示現後の調整局面にあると考えられるが、22日の113.42円でドルの下押しも取り敢えず終了した感を否めない。つまり、113.42-114.69円といった1.3円ほどの新レンジを現在形成中。発表される米経済指標などの材料や、月末需給要因が要注意ながら、来週予定されている米FOMCにらみ、前述したレンジ内での一進一退をたどる可能性もありそうだ。
米金利動向への関心はいまだ高く、来週予定されている11月のFOMCでテーパリングが開始されるとの見方が市場のコンセンサス。単純に日米金利差を考えると、積極的なドル売り・円買いには動きにくい状況であることは間違いない。ただ、ポジション的にはかなり偏っていることから、高値推移をたどるNYダウなどが崩れれば、ドルロングの巻き戻しの動きが加速することにもなりかねない。そうした意味では本日以降に発表される米企業決算にも大いに注意する必要がある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は中期的なドル高傾向継続下の調整局面か。少なくともドルの上値は一旦仕切り直しで、20日高値の114.69円そして115円突破にはもう少し時間がかかるとの見方も少なくない。目先も材料がまったくないわけではないが、来週の米FOMCまでしばらくは113.42-114.69円といったレンジ取引か。価格ではなく時間調整の様相を続ける可能性もありそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には、「恒大リスク」について個人資産の投入も取り沙汰されている「中国情勢」のほか「新型コロナ」、週末衆院選は自民優勢見通しながら状況が刻一刻と変化する「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月の耐久財受注速報が発表されるほか、米財務省による5年債の入札などが実施される見込みだ。また米決算発表も、マクドナルドやコカ・コーラといった注目の企業が目白押し。昨日は発表されたマイクロソフトなどの好決算が株高、ドル高を支援していただけに、本日も同様の展開に一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.50-114.50円。昨日高値114.31円が目先の抵抗で、超えれば114.69円も再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、113.50-60円が少しずつサポートとして育ちつつある感。まずはその攻防に注目だ。また、その少し上113.80円前後も弱いサポートか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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