ドル円、重要イベントを前に高値圏から急反落。BOJ、ECB、米GDPに注目
〇ドル円、株式、商品市場の急落にリスク回避の動き強まり米国時間に113.40まで急落
〇その後は株価の下げ幅縮小で113.78付近に戻す
〇ユーロドル、リスク回避の動きに1.1585まで下落するも米金利低下と株価持ち直しで1.16台を回復
〇ドル円、重要イベント前の円売りポジション巻き戻しが発生か
〇本日日銀政策決定会合、ECB理事会、米3QGDP 速報値に注目集まる
〇黒田総裁からの円安牽制、ラガルドECB総裁の金利上昇抑制発言の有無に要注目
〇米GDPも市場予想とアトランタ連銀発表の予想値の乖離大きく波乱含み
〇本日の予想レンジ:113.20ー114.40
海外時間のレビュー
27日(水)のドル円相場は高値圏から急反落。アジア時間朝方に高値114.22まで上値を伸ばすも、前日高値114.31をバックに伸び悩むと、@コモディティ価格の急落や、A株式市場の軟調推移、B上記@Aを背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)、C米金利低下を受けたドル売り圧力、D重要イベント(日銀金融政策決定会合、ECB理事会、米第3四半期GDP速報値など)を控えたポジション調整(巨大に積み上がった円ショートの巻き戻し)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値113.40まで急落しました。しかし、10/20に記録した直近安値と同水準(113.40)で下げ渋ると、E米主要株価指数の下げ幅縮小や、F上記Eを好感したリスク選好の円売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/28午前4時45分現在)では、113.78前後まで持ち直す動きとなっております。
27日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@コモディティ価格の急落や、A株式市場の軟調推移、B上記@Aを背景としたリスク回避のドル買い圧力、C欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い圧力(欧州債利回りの急低下→ユーロ売り)が重石となり、欧州時間朝方にかけて安値1.1585まで下落しました。しかし、前日(10/26)安値と同水準(1.1585)で下げ渋ると、D米金利低下を背景としたドル売り圧力や、E欧米株の持ち直し(リスク回避のドル買い後退)、FECB理事会を控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1624まで反発しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/28午前4時45分現在)では、1.1604前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は10/20に記録した約4年ぶり高値114.71をトップに反落に転じると、昨日は一時113.40まで急落しました。重要イベントを前に巨大に積み上げられた円ショートポジション(IMM通貨先物市場では円ショートが過去最高水準に増加)の巻き戻しが発生したと考えられます。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合やECB理事会、米第3四半期GDP速報値に注目が集まります。
日銀金融政策決定会合はノーサプライズに終わる可能性が高いものの、市場の関心は、黒田総裁記者会見で円安牽制発言が出てくるか否かに集まっております(※黒田総裁は2015年6月に「実質実効レートベースでかなり円安になっている」「これまで円安が経済にとってプラスだったからといって、更なる円安が更にプラスということではない」と発言)。黒田総裁より円安牽制発言が出てくる場合には、円ショートの巻き戻しを通じてドル円には強い下押し圧力が加わるものと推察されます。
ECB理事会では主要政策金利の変更は予定されていないものの、ラガルドECB総裁よりユーロ圏金利の上昇抑制を図る発言が出てくる可能性が残されているため(含む債券買い入れペースの再加速示唆)、同総裁記者会見後の下落リスクに注意が必要でしょう。
米第3四半期GDP速報値については、市場予想の2.7%に対して、アトランタ連銀が発表するGDP Nowが0.2%となっている為(乖離幅が大きい為)、仮に市場予想を大幅に下回る結果となった場合には、米経済の先行き不透明感再燃→米金利低下→米ドル売りの流れと、米株下落→リスク回避の円買いの双方の圧力を通じて、ドル円には強い下押し圧力が加わるものと予想されます。
以上の通り、本日は重要イベント目白押しとなるため、結果次第でボラティリティが大きく高まる可能性がある点に注意が必要でしょう(結果を見極めるまではロング・ショート共にポジションサイズ縮小方針)。
本日の予想レンジ:113.20ー114.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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