ドルは高値更新、警戒感強いなか続伸も
〇本日のドル円、一時114.70をつけ、年初来高値更新、16時現在114.40レベルで推移
〇市場の警戒感強いためか調整局面には入らず
〇115円台を前に一時下押し、調整先行の可能性も
〇本日は米地区連銀経済報告、米英欧中銀関係者による発言機会や米企業決算発表予定も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.90、本日東京高値114.70が最初の抵抗
<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場はドルが小高い。再び年初来高値を更新しただけでなく、2017年11月高値114.73円に一時面合わせしている。
ドル/円は寄り付いた114.30-35円を日中安値に、ドルは緩やかな右肩上がり。ゴトー日仲値不足などもあり、年初来高値を超えるとドルはすぐに日中高値114.70円レベルまで値を上げている。ただ、高値を付けたあとは上げ渋り。114円半ばを挟んだ動きとなると、16時現在では114.40円レベルで推移し欧米市場を迎えていた。
なお、引き続き円の全面安商状も継続。ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円などはそれぞれ堅調推移で、戻り高値を更新する局面も観測されている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「仮想通貨先物ETF上場」について。
前者は、前日にロイターが「英国でコロナ感染再拡大」としたうえで「一日当たりの感染者が7月半ば以来で最多を記録」と報じるなど、欧州における新型コロナ懸念の台頭が懸念されるなか、今度はフランス保健局が2ヵ月ぶりとなる「コロナ入院患者数が3日連続で増加した」と発表。市場の一部でも不安の声が観測されていた。また、それとは別に米国の「国土安全保障長官がコロナ検査で陽性反応」が出たとの報道や、月末G20にロシアのプーチン大統領が「対面式の不参加(オンラインでは参加)」を表明したが、ペスコフ報道官の話では「新型コロナの感染拡大状況を踏まえて」とされており、こちらも思惑を呼んでいた。
対して後者は、米取引所で仮想通貨先物ETFが上場され、取引の始まったことが為替などほかの金融市場でも話題に。また、好感をした動きからか、暗号資産ビットコインそのものも堅調で一時64000ドル台。史上最高値64700ドル台を意識したレベルまで上昇する局面も観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日ザラ場ベースで一時114円を割り込み、いよいよ本格的な調整局面入りかと目されたのだが、切り返すと本日東京時間には逆に年初来高値を再び更新している。金融市場には「もうはまだなり、まだはもうなり」という相場格言が存在するが、それを地で行くような動きだった。依然として高値警戒感は強いものの、市場の警戒感が強いうちは逆に調整がなかなか入らないのかもしれない。
米金利動向への関心はいまだ高く、11月のFOMCでテーパリングが開始するとの見方がもはや市場のコンセンサスだ。一方で、日本が置かれているデフレ商状を考えると、調整程度しか円を積極的に買い進めることは出来そうにない。本日も発表される米地区連銀経済報告や、同連銀総裁たちの発言などに一喜一憂しつつも、ドル高・円安という流れそのものは続く見込みだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間に高値を更新するなど、引き続きドル高方向への流れを維持している。ただ、心理的な抵抗である115円を前に、やや神経質になっている感も否めない。基調は変わらないものの、一時的な下押し、調整が先行する可能性もある。
なお、直近安値からのドル上昇幅は5円を超えていることから、たとえ調整であっても本格的に下げれば1円程度はすぐに下がっても不思議はなさそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には冬の需要期を前に「電力不足」問題が拡大、国内景気へのダメージも広範囲で取り沙汰されている「中国情勢」のほか、欧米諸国などでも感染拡大懸念が再び指摘され始めた「新型コロナ」、「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日はとくに目立った米経済指標の発表はないが、米地区連銀経済報告が公表されるほか、米英欧の中銀関係者による発言機会も引き続き多く要注意だ。そのほか米企業決算発表や、米財務省による20年債の入札などにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.90円。本日東京高値にもあたる114.70円レベルが最初の抵抗。超えれば、いよいよ115円台乗せが現実のものに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値である113.88円の攻防にまずは注目。下回ると113.20円レベル、113円などが視界内に。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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