ドル円、約4年ぶり高値更新後に反落。節目115.00をバックに戻り売りが優勢(10/21朝)

20日(水)のドル円相場は年初来高値更新後に反落。

ドル円、約4年ぶり高値更新後に反落。節目115.00をバックに戻り売りが優勢(10/21朝)

ドル円、約4年ぶり高値更新後に反落。節目115.00をバックに戻り売りが優勢

〇ドル円、リスク選好の円売りと米長期金利上昇、5・10日要因などでアジア時間に114.71まで上昇
〇その後は利食い売りや米長期金利低下により米国時間に114.08まで反落
〇売り一巡後は下げ渋り、米株堅調、ベージュブックのタカ派的内容に114.30近辺で取引
〇ユーロドル、欧州朝方に安値1.1616まで下落後、米金利低下、株高背景のリスク選好に1.1659まで反発
〇ドル円約4年ぶり高値示現するも2017年11月高値114.74まで一歩届かず下落
〇ただし、テクニカルファンダメンタルズ両面で強く、目先114.74を再トライする展開か
〇本日の予想レンジ:113.90ー114.70

海外時間のレビュー

20日(水)のドル円相場は年初来高値更新後に反落。@株高を背景としたリスク選好の円売り圧力や、A米金利上昇に伴うドル高圧力、B公表相場決定にかけての需給要因(5・10日要因に伴うドル不足)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、約4年ぶり高値となる114.71まで急伸しました。しかし、2017/11/6高値114.74をバックに伸び悩むと(心理的節目115.00を背に戻り売りが意識されると)、C短期筋の利食い売りや、D米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値114.08まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、E米主要株価指数の堅調推移(ダウ平均株価は史上最高値を更新→リスク選好の円売り再開)や、Fベージュブックのタカ派的な内容(殆どの地区で著しい価格の上昇を報告→金利先高観)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/21午前5時00分現在)では、114.28前後で推移しております。

20日(水)のユーロドル相場は下落後に反発。@欧米金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買い圧力や、Aユーロ圏8月経常収支の黒字額急縮小、Bフランス中銀ビルロワドガロー総裁によるハト派的なコメント(インフレは一時的)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.1616まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C米金利低下に伴うドル売り圧力や、D世界的な株高を背景としたリスク選好ムードが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1659まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/21午前5時00分現在)では、1.1651前後で推移しております。尚、昨日はタカ派で知られていたドイツ連銀バイトマン総裁の辞意(今年12月末で退任)が報じられましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は約4年ぶり高値(114.71)を更新するも、市場参加者に意識されていた2017/11/6高値114.74まで後一歩届かず反落に転じました。但し、テクニカル的に見れば、強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーが継続している他、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策格差(ドル高・円安)や、世界的なインフレ懸念(米金利上昇→ドル高)、米利上げ観測台頭でも株式市場が崩れないことに対する安堵感(株高→リスク選好の円売り)など、ドル買い・円売りを意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は昨日上値トライに失敗した2017/11/6高値114.74を再トライする展開を想定。同水準を突破出来れば、心理的節目115.00が射程圏内に)。

尚、本日は、米主要経済指標(米10月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数、米9月景気先行指数、米9月中古住宅販売件数など)の発表に加えて、米主要企業決算に注目が集まります。

米経済指標や米企業決算が市場予想を上回る結果となった場合には、米金利先高観に伴うドル高と、米株上昇に伴うリスク選好の円売りの組み合わせが期待されることから、ドル円のアップサイドリスクに注意が必要と考えられます。一方、リスク要因としてはパウエル氏の去就を巡るヘッドライン(投資信託売却問題で再任が危うい状態)や、米財務省による半期に一度の為替報告書(中国などを為替操作国に指定するか否か)、トルコ中銀の金融政策決定会合(エルドアン大統領の圧力に屈して追加利下げに踏み切るか否か)などが警戒されます。ドル円はオシレータ系インジケータに過熱感が見られている他、IMM通貨先物でも円ショートが急拡大している為、一時的なポジション調整リスクには常に警戒が必要でしょう(上昇トレンドの継続をメインシナリオに据えつつも、一時的なポジション調整リスクに要警戒。115.00を明確に上抜けるまではポジションサイズは縮小方針)。

本日の予想レンジ:113.90ー114.70

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約4年ぶり高値更新後に反落。節目115.00をバックに戻り売りが優勢

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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