ドル高基調続くなか、米消費者物価に注目(10/13夕)

13日の東京市場はドルが小安い。113円半ばという高値圏ではあるものの、昨日高値が更新出来ないなか、下値も堅く下げ渋った。

ドル高基調続くなか、米消費者物価に注目(10/13夕)

ドル高基調続くなか、米消費者物価に注目

〇本日のドル円、113円台半ばでの揉み合いに終始、昨日高値更新できず下値も下げ渋る
〇米債務上限引き上げ法案が可決、デフォルト当面回避でドル買い懸念要因ひとつ払拭
〇本日は米9月消費者物価指数が発表予定、市場の期待を裏切る数字の場合反動に注意
〇昨日高値113.78が目先の抵抗、超えれば114円台乗せが現実的な目標に
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.10

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場はドルが小安い。113円半ばという高値圏ではあるものの、昨日高値が更新出来ないなか、下値も堅く下げ渋った。

ドル/円は113.55-60円前後で寄り付いたが、積極的な動意に欠ける。当初はややドル安が進行したものの113.35円レベルで下げ止まると、その後は113円半ばを中心とした揉み合いに終始した。株価や金利あるいは原油価格などに一喜一憂しつつ、16時現在でも引き続き113円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。
なお、昨日は2020年7月以来の一時1200ウォン台を示現したドル/ウォンだが、韓国中銀が通貨防衛介入を示唆したこともあり、本日はウォンが逆に小高い。

一方、材料的に注視されていたものは、「米債務上限問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、米議会下院が連邦債務上限を一時的に引き上げる法案の採決を行い賛成多数で可決した。法案はすでに上院を通過済み。根本的な解決ではないものの、今後バイデン大統領が署名し成立することになるわけで、米国のデフォルトは当面のあいだ回避される見通しとなった。為替市場がドル高傾向をたどるなか、またひとつドル買い懸念要因のひとつが払拭されたことになる。
対して後者は、11日から北朝鮮の平壌で兵器展示会が開幕。そのなかで開発中の「極超音速型」とみられるミサイルなどを公開するとともに、金総書記から「核・ミサイル開発の正当化」を示す発言が聞かれていた。また、北朝鮮の国連大使も別途、軍縮問題を扱う国連会議で「朝鮮半島緊張の原因は米国の核脅威が原因」などと責任転嫁する発言をしていたようだ。その一方、米国サイドからは、サリバン大統領補佐官が韓国大統領府の徐国家安保室長との会談で、北朝鮮は状況をエスカレートさせるような行動を控えるべきと強調したことを明らかにされている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日欧米時間にドルが続伸。一時113.78円までドル高が進行している。昨年末の日経新聞で「動かぬ円相場」などと書かれたことはいまだ記憶に新しいところだが、実を言うと今年のドル/円は2ヵ月半を残して、昨年一年間の価格変動幅、同変動率をいずれも上回ってきた。具体的にはドル/円の年初来変動幅は11.19円、変動率は10.85%になる。さらなるドル高の進展により、記録をどこまで伸ばすのかに注目だ。
米金利動向への関心が高いという状況にいまだ変化なし。そうした状況下、本日は9月の米消費者物価指数が発表される予定で、そちらを注視している向きも少なくない。ちなみに、事前予想値は前月比プラス0.3%、前年比プラス5.3%ほどで、ほぼ前月並みの数字。ただ、市場の期待感が強いだけに、予想外れの数字になった場合の反動には一応要注意かもしれない。調整的なドル安の動きがさらに加速する可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は直近安値からの上昇幅が4.7円ほどへと達してきたが、大きな流れに変化はないようだ。上昇スピード的がかなり速いことで、上げ渋りや一時的な調整は否定できないものの、ドル高基調そのものは続く公算が大きい。むしろ、いわゆる買い遅れ筋のビットが切り上がっており、ドル下値はかなり底堅くなっている感も。これまでのような一本調子のドル高進行ではないにせよ、114円半ばなど次のテクニカルポイントを目指し、ドル高傾向はまだ当面続く見込みだ。

材料的に見た場合、中長期的には、「恒大」など住宅をはじめとする様々な問題を抱える「中国情勢」のほか、明日午後の衆院解散を過ぎれば完全に総選挙モードへと入る「日本の政局」、「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月の消費者物価指数が発表されるほか、9月21-22日開催分のFOMC議事要旨が公開される見通しだ。そのほか、ブレイナードFRB理事の講演が実施されるうえ、米企業決算がいよいよ本格化。JPモルガン・チェースなどの決算が発表される見込みで、一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.10円。昨日高値の113.78円が目先の抵抗で、超えればいよいよ114円台乗せが現実的な目標に。
対するドル安・円高方向は、すでに24時間以上も113円を下回っていないなど、実需筋のビッドがジワリと切り上がっていることは間違いない。まずは113円レベルの攻防に注目か。ただ、仮に割り込んでも底堅そうだ。

ドル高基調続くなか、米消費者物価に注目

ドル円日足


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