米9月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(13日)、米国9月消費者物価指数(CPI)が公表されます。先週金曜日の雇用統計は好悪相半ばの数値でしたが、失業率の大幅改善を材料に米10年債金利が1.6%台乗せになりました。今日のインフレ数値も予想レンジ外になれば、金利が上下に動くことが見込まれます。
さて、前回(8月分)は全体でほぼ予想通り、注目のコアは下回りました。相場は指標発表前の110円10銭付近から109円60銭付近までドルが売られました。
今回9月はほぼ8月の伸びと同様の予想になっています。コアCPIの前月比がやや伸びが上昇しますが、年率は同じです。
2021年10月13日9時現在予想
(1) 米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャート(1)を見ると、過去の高値を結んだ青(0.6%)の横線よりかなり下がっていましたが、今回は横這い予想になっています。移動平均線もやや下がっていますが、このまま横這い推移でいけば、CPI全体でも年率ベースで5%を割ってくる可能性が高まります。
下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=コアPCE)となっており、依然としてコアCPIもコアPCEも目標値を大きく上回っています。9月のFOMCで2021年末コアPCE予想を3.7%(下図の黒い線が3.7%)に引き上げていますが、オレンジのコアPCEはかろうじて上限を守っています。このまま青のコアCPIが接近してくればFRB見通し通りに落ち着きそうですが、青が再び上がるとオレンジも追随する可能性が高いので、もし今日の数値が予想レンジ上限4.2%を越える結果になると、10年債金利は一段と上昇する可能性が高まります。この場合はドル買いに繋がり易く、その後は株価への影響次第となりそうです。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒はFOMC予想値、緑より右は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の週足チャートです。移動平均線は緑の25週線(110円17銭)と青の90週線(107円60銭)で既にドル高トレンド継続中になっています。
今週急騰しているドル円が目先どこまで行くかが注目されています。年始底値からのラインA(=114円50銭)は下抜けているので、短期はドル高ですが、現在の動きはAまでの戻り高の途中になっています。そしてこのAは2018年10月高値の114円54銭にも相当します。この当時、実体部分の高値は113円80銭付近で5回に亘り上値トライを失敗しており、上ヒゲでは114円20銭〜25銭になっています。従い、113円70銭〜80銭、114円20銭、114円50銭〜55銭が当面の抵抗線になっています。
一方下値は、4月中旬底値からのB(=109円30銭)とそこから平行に上げたC(=112円65銭)のドル高トレンドを上抜けているので、目先の押し目はCがポイントになります。もし切れた場合は9月下旬底値からのサポートD(=111円70銭)があります。また、今週の寄り値が112円27銭ですので、金曜日のNY終値がC未満でかつ寄り値付近になると長いトウバ線になり、2018年10月と同じパターンになりそうです。上値トライ失敗の様相ですので、Dを切ればBとCのトレンドライン回帰の確認シグナルとなりそうです。
(10月13日10:40 1ドル=113円41銭)
オーダー/ポジション状況
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