ドル円は新レンジ形成、目先の方向性乏しい
〇ドル円、値動きは30ポイント強にとどまるが夕方に109.75-80まで上昇するなど、ドルが強含みな展開
〇ドル円は直近1週間程度109.30-110.20といった値動き、新レンジ形成か、今後の動きに注目
〇目先は週末の米雇用統計待ち、基本は手控えムードが続く可能性
〇本日米地区連銀経済報告が公表される予定、通貨当局者の発言にも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.30-110.20
<< 東京市場の動き >>
2日の東京市場はドルが強含み。値動きそのものは30ポイント強と、それほど大きくなかったがドルは緩やかな右肩上がりをたどっていた。
ドル/円は109.45-50円で寄り付いたのち小緩み、日中安値を示現するも、その後は一貫してドルじり高の値動き。日米株価や金利の動きを注視しつつ、夕方には109.75-80円まで上昇。16時現在でもドルは高値圏で推移、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、トルコリラが売り込まれると、対円では一時年初来安値を更新。トルコ大統領が「われわれには利下げが必要、中銀総裁と話をした」などと発言したことが材料視されていたようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米ファンダメンタルズと金融政策」について。
前者は、マレーシア外務省が「南シナ海を侵犯する中国軍機に対し緊急発進させるトラブルがあった」と非難。また中国外務省は、同国外相がオンライン形式で実施されたBRICS会合において「日本の福島原発処理水を国際紛争と同列に争点化した」ことを明らかにしている。台湾などを含め、依然として周辺国との小競り合いは続いている状態だ。しかし、その一方で新華社は「中国の劉副首相とイエレン米財務長官がビデオ会談実施。両氏は米中関係が非常に重要との認識で一致」−−などと報じていた。
対して後者は、昨日発表された米経済指標は好悪が混在。ただ、市場の関心を集めていた5月のISM製造業景況指数は予想を上回る内容だった。そうしたなか、ブレイナードFRB理事から「早期の金融引き締め」に警鐘を鳴らす発言が観測されたうえ、サンフランシスコ連銀が「米労働市場、指標が示すほど良好でない可能性がある」などとした報告書を発表、市場で思惑を呼んでいたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、かつて推移していた108.30-109.80円のレンジを一時上放れたものの、値は飛ばず。むしろ、ここ最近の動きをみると、新たなレンジを形成しつつある感を否めない。実際、直近1週間程度を見てみると、ザックリ109.30-110.20円といった値動きだ。そんなレンジ取引がいましばらく続くのか否か、状況をしっかりと見極めたい。
為替のみならず金融市場全般で、米ファンダメンタルズ改善観測と、FRBによる早期テーパリング期待は強いものの、前述したように一筋縄ではいかない状況だ。少なくとも、現状の期待感などだけで、さらに積極的にドルを買っていくには限界もあるだろう。背中を押す材料が必要とみられ、それが週末の米雇用統計か。逆に言えば、目先は米雇用統計待ちで基本は手控えムードが続くことになるのかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は109.10-20円に位置する移動平均の21日線をサポートに底堅いものの、上値も重く上げ渋り。結局、過去1週間程度は109円台を中心とした1円弱の往来相場だ。明確な方向性はうかがえない。足もとのようなレンジ取引がさほど長期化するとは思っていないが、先で指摘した週末の米雇用統計発表までは積極的に動きにくく、結果としてボックス圏での一進一退が続く可能性も否定できない。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日は市場の注目度が高い米経済指標の発表は予定されていないが、代わりに米地区連銀経済報告が公表される見込みで、そちらは一応要注意。またミネアポリス連銀主催のイベントが実施され、そのなかでシカゴ連銀総裁をはじめ多くの通貨当局者が発言をする見込みだ。要人発言も波乱要因として注意が必要か。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.20円。東京夕方に掛けてドル買いが優勢となっているが、上値は重いか。110円前後がひとつの壁になりそうで、超えても前回高値110.20円を抜けることは難しそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値109.33円が目先の安値で攻防を注視。ただ、その下には21日線が位置しており、大崩れも目先予想しにくい状況だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2021.06.03
ドル円、上昇後に伸び悩む展開。心理的節目110.00がレジスタンスに(6/3朝)
2日(水)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。