ドル円、上昇後に伸び悩む展開。心理的節目110.00がレジスタンスに
〇ドル円早期テーパリング観測の高まりや株式市場の堅調に米国時間にかけ109.89まで上昇
〇その後米長期金利の低下等で109.58まで反落、米地区連銀経済報告の影響は限定的
〇ユーロドルドル高圧力と独小売売上高の不冴えに1.2164まで下落後、ユーロ圏PPI上昇に1.22台反発
〇ドル円心理的節目110.00突破には至らずも、テクニカルなドル買い地合い続く
〇本日のADP雇用統計、ISM非製造業指数要注視
〇引き続きアップサイドリスクに注意、本日の予想レンジ:109.20ー110.00
海外時間のレビュー
2日(水)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。@米早期テーパリング観測の高まり(資産買い入れ縮小議論の開始)を背景としたドル高圧力や、A堅調な株式市場を背景としたリスク選好の円売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、日通し高値109.89まで上昇しました。しかし、心理的節目110.00をバックに伸び悩むと(戻り売り圧力が強まると)、B米長期金利の低下を受けたドル売り圧力(米10年債利回りは一時1.60%の大台を割り込み1.58%へ低下)や、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、D週末の米雇用統計を控えたポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時10分現在)では、109.58近辺まで反落する冴えない動きとなっております。尚、この日発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米経済の緩やかな拡大と、価格上昇圧力の高まりについての言及がなされましたが、市場の反応は限定的となりました。
2日(水)のユーロドル相場は下落後に反発。@米早期テーパリング観測の高まりを背景としたドル高圧力や、Aドイツ4月小売売上高(結果▲5.5%、予想▲2.0%、前回7.7%、※前月比)の冴えない結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、5/28以来となる安値1.2164まで下落しました。しかし、21日移動平均線に続落を阻まれると、Bユーロ圏4月卸売物価指数(結果7.6%、予想7.3%、※前年同月比)の伸び率上昇(2008年9月以来、約13年ぶり高水準)や、C上記Bを背景としたECBによるテーパリング観測(第3四半期以降、パンデミック緊急プログラムの購入ペースが鈍化するとの思惑)、D米長期金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4時10分現在)では、1.2210近辺まで反発する動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は一時109.89まで上昇するも、心理的節目110.00の突破には至りませんでした。但し、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転(転換線の基準線上抜け、ローソク足の雲上限上抜け、遅行線の26日前のローソク足上抜けが全て揃う状態)が継続する中、テクニカル的に見て、上昇トレンドは継続中と判断できます(5/28に記録した高値110.21が射程圏内)。こうした中、本日は週末の米雇用統計の前哨戦となる米5月ADP雇用統計や、米5月ISM非製造業景況指数(特に雇用項目)に注目が集まります。これらの数字が市場予想を上回る好結果となれば、週末の米雇用統計への期待感が高まり、6月FOMCに向けて米テーパリングを一段と織り込む動き(米長期金利上昇→ドル高)が予想されるため、本日も引き続き、アップサイドリスクに注意が必要でしょう(フィラデルフィア連銀ハーカー総裁は昨日、FRBは少なくとも量的緩和縮小の検討を考える時期に来ているかもしれないと発言)。
本日の予想レンジ:109.20ー110.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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