ドル円109円台後半、米インフレ率上昇を受け高値圏でもみ合い
13日午前の東京市場でドル円は高値圏でのもみ合い。昨晩のドル円急上昇を受け、朝方109.67レベルで取引が始まったドル円は、時間外の米10年物国債利回りが一時1.70%台に上昇したことで109.78まで上昇。その後はやや戻し、東京時間正午現在は109.62レベルで取引されています。
日経平均株価は、昨晩米市場で株価が大幅に下げた流れを受け売り先行で始まり、下げ幅は一時600円を超えました。前場終了にかけてやや下げ止まりを見せるも、戻りは限られ518円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、注目された4月の米消費者物価指数が、前年同月比で+4.2%と事前予想(+3.6%)、前回(+2.6%)を大幅に上回る結果となりました。これを受けて、1.61%台で取引されていた米10年物国債利回りが、1.69%台まで急上昇。ドル円も109.70まで上げて高値圏で東京市場につないでいます。
テクニカルにはドル円は昨晩の上昇で一目均衡表の「雲」の上に浮上しての推移。基準線、21日線、転換線等からも離脱して、ドル買い地合いが強まっています。現在値は年初来高値110.97からの下落の61.8%戻し109.63に近く、当面のターゲットは節目の110円、上記フィボナッチの76.4%戻し110.14等。直近のサポートは、抜けてきた「雲」の上限が109.47レベルです。
再三にわたるFRB関係者による一時的なインフレ率上昇の予測と、その場合にも短期的には金融政策で対応しないとの方針明言にもかかわらず、実際インフレ率の上昇に直面すると市場はやはり金利上昇とドル買い、そして株価の急落で反応しています。
景気の回復過程における長期金利の上昇は自然な流れであり、また、この程度のインフレ率上昇で、FRBが早々にテーパリング議論を始めるとも考えにくく、早晩市場は材料を消化し、落ち着きを取り戻すものと思われます。ただ、株式市場の好調ををささえる「過剰流動性」の縮小へ、市場の思惑が行き過ぎた場合、ややバブル気味の株価の調整が深くなる恐れはあり、リスク選好に過度の冷や水を浴びせる結果となることが懸念されます。
本日は生産者物価指数が発表となり再び市場の注目が集まります。昨日に続けて高い数字が出た場合の株式市場の動きは要注意です。
ドル円日足
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