月末最終日、材料より需給要因に注目か
〇ドル円、一時109円台を回復したがその後108円台後半を中心としたレンジ取引、明確な方向性乏しい
〇本日は週末・月末であるためロンドンフィキィシングなどを警戒する声も
〇日本のゴールデンウイーク、中国労働節を前にしたポジション調整にも要注意
〇テクニカルには昨日高値109.22の攻防がまずは注視される反面、下方向は108.44が最初のサポートか
〇本日発表の経済指標、3月PCEデフレーター・4月シカゴ購買部協会景気指数
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.30
<< 東京市場の動き >>
30日の東京市場はレンジ取引。108円台後半を中心とした狭いボックス内での一進一退で、明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は、108.90円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。月末ゴトー日などといった要因も取り沙汰されていたようだ。一時109円台を回復し、109.05円レベルへと値を上げたが買いは続かなかった。実需筋の売りなどを受け108円台へと押し戻されると、その後はレンジ取引に。108.70-90円といった非常に狭いボックス圏内での推移をたどるなか、16時現在では108.75円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「中国情勢」について。
前者は、引き続き世界各国で対応が分かれる結果に。例えばインドは、同国保健省が直近24時間の新型コロナウイルス新規感染者と死者がいずれも過去最多を更新し、累計の感染者については1800万人を突破したことを明らかにしている。ただ、その一方、厳しい措置が取られていたフランスにおいて、マクロン大統領が現地紙のインタビューで、外出禁止令の解除に向けた段階的な計画を表明。また米NY市も、市長が「目標は7月1日の経済活動全面再開」とコメントし、ともに好感されていたようだ。
対して後者は、バイデン米大統領が議会演説で「我々は中国と競争している」と発言したことに、中国サイドがまたもや噛みついた。同国外務省は、「米中間に競争があるのは正常だが、生きるか死ぬかの決闘であってはならない」などと牽制している。そうしたなか、中国の全人代常務委員会は、北京で会議を開き、海事当局の権限を強化する海上交通安全法改正案を可決。また、中国メディアは「遼寧」空母編隊が尖閣諸島付近に進入し、偵察活動を行ったと報じるなど、領土問題をめぐる対日圧力が刻一刻と強まっている感も否めない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日欧米時間に109.22円まで上昇するも、そののち小反落となった。ちなみに、同レベルは、目先高値110.97円を起点とした下げ幅の半値戻しに当たるフィボナッチターゲット。上方向の動きでは、同レベルの攻防が引き続き注目されよう。ただ、本日だけではなく来週にかけての話になるが、経験則に見て「東京休場時は円高に振れやすい」というマーケットのジンクスがあることから、来週にかけてドル/円のあまり積極的には買いたくないとの指摘も聞かれている。
「FOMC」や「バイデン大統領による議会演説」、「米GDP速報値発表」−−など今週の注目材料を次々とこなすなか、市場で警戒されているのは幾つかの需給要因。そのひとつは、本日が週末・月末にあたるということでロンドンフィキィシングなどを警戒する向きもあるようだ。また日本のゴールデンウイーク、中国労働節を前にしたポジション調整の話も取り沙汰されており、こちらも要注意か。思わぬ価格変動も否定できないか。
テクニカルに見た場合、ドル/円はややドルの戻り歩調が優勢ながら、その上値も重そうで基本はレンジか。108円台後半を中心とした、目先は1円程度のレンジ取引をたどるとの声も聞かれている。
ちなみに、ドル高方向については、フィボナッチターゲットでもある昨日高値の109.22円の攻防がまずは注視される反面、下方向はやはり昨日安値の108.44円が最初のサポートとして意識されているようだ。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、3月のPCEデフレーターや4月のシカゴ購買部協会景気指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された1-3月期のGDP統計速報などは決して悪い数字ではなかったが、事前予想値にはとどかなかっただけに、本日の指標の結果はどうなるのか注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.30円。本日東京高値109.05円レベルの攻防がまずは注視されている。抜ければ、フィボナッチターゲットにもあたる昨日高値109.22円が次のターゲット。
対するドル安・円高方向は、昨日安値108.44円が最初のサポート。割り込めば108円前後のフシが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2021.05.01
来週の為替相場見通し:『米テーパリング観測を背景にドル高地合いが再燃か』(5/1朝)
ドル円は4/23に記録した安値107.47をボトムに反発に転じると、今週末にかけて一時109.35まで急伸しました(4/13以来の高値圏)。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。