ドル強含み続くか、GDPなど米経済指標注目(4/29夕)

29日の東京市場はドルが強含み。

ドル強含み続くか、GDPなど米経済指標注目(4/29夕)

ドル強含み続くか、GDPなど米経済指標注目

〇ドル円108円台半ばでのもみ合い
〇バイデン大統領演説に特筆すべきもの無く、FOMC景気現状認識上方修正されるも記入政策に変更無し
〇イベント通過でファンダメンタルズに焦点移るか、目先米1QGDPに注目
〇テクニカルには上は109円台が重く、下方向は108.40-45、108円がサポート
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.40

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はドルが強含み。ただ、終日を通して108円台、40ポイントには届かない変動にとどまった。

ドル/円は、108.60円前後で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。対ユーロなどを中心としたものだったが、ドル/円も108.40-45円まで小幅に値を下げた。しかし、そこから切り返すと、一転してドルは反騰高。夕方にかけて108.80-85円へと値を上げ、16時現在でもそのまま日中高値圏をキープ、欧米市場を迎えている。
なお、本日も値幅こそ小さいが、円は全面安の様相。ユーロ/円やポンド/円、NZドル/円などは前日記録した戻り高値を再び更新していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「バイデン氏演説」と「米FOMC」について。
前者は、日本時間29日午前、バイデン米大統領が政権発足後約100日という非常に遅いタイミングで初の議会演説を行い、それが東京休場の市場で話題となっていた。新型コロナウイルス感染症対策が進展していることを理由に、「米国は再び前進していく」などと国民を鼓舞するような発言も聞かれていたようだ。それ以外で特筆するようなコメントはなかったが、それでも「我々は中国と競争している」、「中産階級の税負担を増やすつもりはない」−−などといった内容が確認されている。
対して後者は、注目の米FOMCの結果が公表され、景気の現状認識が上方修正されたものの、一方で金融緩和策については「縮小を検討する段階ではない」といった慎重姿勢が継続されている。また、そののちの記者会見でパウエル議長から「目標が達成されるまで、ゼロ金利が適切」、「インフレ率が持続的に上昇する公算は小さい」などとする発言が聞かれていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先日107.48円まで下落したところで下押しも一服。足もとはその戻り歩調にあると目されたが、再び上値も重くなってきた。つまり、いましばらくは108円台を中心とした一進一退で、次の方向性を探る展開となるか。もっとも、市場では前段で指摘したように「円全面安」の動きも目立っているだけに、ユーロ/円などのクロスが続伸する格好でドル/円も連れ高推移をたどるといった声も聞かれていた。
材料的には、今週の二大注目要因である「FOMC」と「バイデン大統領による議会演説」をこなすなか、市場は再び広義の米ファンダメンタルズ要因に注目か。そのなかでも、目先の関心を集めているものは1-3月期GDP速報値など重要なものが発表される米経済指標になる。ちなみに、GDPの事前予想値はプラス6.6%程度と、昨年10-12月期の同4.3%から大きく上昇する見通しだ。ただ、好数字が予想されているだけに、仮に悪い数字が出た場合の反応が気掛かりといった声もなくはない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は23日の107.48円を目先ボトムに流れが反転。足もとは再びドル高が優勢になりつつあるが、109円台でその上値は重そうだ。目先高値110.97円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは38.2%戻しの108.80円は超えたものの、半値戻しにあたる109.20-25円には結局とどかなかった。本日も、ドル高方向はまず同レベルの攻防に要注意。逆に下方向は東京安値の108.40-45円、そして108円前後などがサポートに。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、1-3月期のGDP統計速報や週間ベースの新規失業保険申請件数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。先では取り上げなかったが、昨日パウエルFRB議長は利上げに慎重な理由として「インフレ」と「雇用」を挙げていた。それからすると、前者はもちろん後者の雇用データにも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.40円。昨日高値109.08円の攻防がまずは注視されており、抜ければフィボナッチターゲットにあたる109.20-25円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値108.40-45円がまずはサポートか。割り込めば108円前後のフシが意識されそうだ。(了)

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