ドル円、10営業日連続陰線から持ち直し、久々の陽線を記録。本日はBOJに注目
〇ドル円欧州時間朝方に107.64まで下落するも米指標好調、イベント前ポジション調整に108.20まで反発
〇ユーロドル1.2117まで上昇するも、リスク回避ムード、ECB関係者のハト派発言に1.20台後半に戻す
〇ドル円重要イベント前ポジション調整にひとまず下げ止まる
〇本日日銀政策決定会合、現状維持予想ながら、「展望レポート」の内容要注視
〇本日の予想レンジ:107.60ー108.40
海外時間のレビュー
週明け26日(月)の外国為替市場でドル円は反発。@米キャピタルゲイン課税提案への警戒感や、A新型コロナウイルスの感染拡大懸念、B上記@Aを背景としたリスク回避ムードが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値107.64まで下落しました。しかし、先週末金曜日に記録した安値107.47をバックに下げ渋ると、Cロンドンフィキシングに向けたドル買いフローや、D米4月ダラス連銀製造業活動指数(結果37.3、予想30.0)の力強い結果、E重要イベントを控えたポジション調整(4/26ー4/27の日銀金融施策決定会合、4/27ー4/28の米FOMC、4/29のバイデン米大統領によるキャピタルゲイン課税の詳細発表)が支援材料となり、米国時間には、一時108.20まで反発しました。その後も、F冴えない米入札結果(2年債入札および5年債入札)を背景に底堅い動き(米長期金利上昇→ドル高)が継続し、本稿執筆時点(日本時間6時10分現在)では、108.10近辺で推移しております。
週明け26日(月)のユーロドル相場は上昇後に反落。先週末金曜日のユーロ高・ドル安の流れを引き継ぐ形で、アジア時間朝方にかけて、一時1.2117(2/26以来、約2ヵ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、利食い売りに押されて反落に転じると、@米キャピタルゲイン課税提案を背景としたリスク回避ムードの高まりや、A米長期金利の上昇圧力、BパネッタECB専務理事によるハト派的な発言(物価上昇率が2%に戻るまで積極的な金融緩和政策を縮小すべきでない)が重石となり、欧州時間朝方には、一時1.2061まで反落しました。もっとも、売り一巡後に持ち直すと、C欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大状況の落ち着きや、Dドイツ政府による2021年経済成長率見通しの上方修正(3.0%→3.5%)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6時10分現在)では、1.2087前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は10営業日連続・陰線から持ち直し、久々に日足ベースの陽線を記録しました。一目均衡表雲上限にサポートされるなど、今週予定されている重要イベントを前にひとまずポジション調整が入った格好です。但し、一目均衡表転換線が垂れ下がってきていること、ボリンジャーミッドバンドより下側で推移が続いていること、ダウ理論における中長期上昇トレンドの終焉が明らかとなったことなどを考慮すれば、上値余地は乏しい(テクニカル的に見て地合いは弱い)と判断できます。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合や黒田総裁記者会見に注目が集まります。金融政策については現状維持(ノーサプライズ)が見込まれるものの、今回は「経済・物価の情勢(展望レポート)」が公表されるタイミングである為、2023年度物価上昇率見通しの数値設定には警戒が必要でしょう(2023年度の物価上昇率見通しが1%未満に設定されれば、金融緩和長期化観測→マイナス金利深掘りの思惑を通じて、一時的に円売りが強まる可能性あり)。
但し、明日以降、米FOMCやバイデン米大統領の議会演説など重要イベントを控えている為、総じて様子見ムードが強まりやすく、ドル円は上下しつつも、方向感を見出すには至らないと予想いたします(米国時間には、米4月リッチモンド連銀製造業指数や、米4月消費者信頼感指数など、4月のセンチメント系指数が立て続けに予定されているためこちらも注目)。
本日の予想レンジ:107.60ー108.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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