ドル安基調継続か、ただ底堅いとの見方も(4/26夕)

26日の東京市場は「行って来い」。107.65円レベルまで一時値を崩す局面も観測されたが、ドル安は続かなかった。

ドル安基調継続か、ただ底堅いとの見方も(4/26夕)

ドル安基調継続か、ただ底堅いとの見方も

〇本日のドル円、一時107.65レベルまで値を崩すもドル安続かず
〇ビットコイン47100ドルレベルまで一時急落後に急反発し52900ドル台へ
〇トルコがバイデン氏の「アルメニア人迫害『虐殺』認定」に強く反発
〇先週安値107.48をしっかり割り込めばさらに続落、107円割れの可能性も
〇本日は3月耐久財受注速報や4月ダラス連銀製造業活動指数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.20-108.20

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場は「行って来い」。107.65円レベルまで一時値を崩す局面も観測されたが、ドル安は続かなかった。

先週末、新型コロナの感染拡大を受け、「東京などに緊急事態宣言」が発令されたほか、タス通信が「米露首脳会談、6月実施で調整中」などと報じ、物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は107.85-90円で寄り付いたのち、ドルは下値を探る展開となり107.65円レベルへと小緩む。先週安値107.48円も視界内に捉えられたがとどかず、反発に転じると一転し107.85円レベルへ。下げ幅の多くを取り戻す「行って来い」となり、16時現在では107.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、為替を横目に暗号資産(仮想通貨)ビットコインが荒れ模様。未明高値50500ドル前後から47100ドルレベルまで一時急落をたどるも、そののち急反発をたどると52900ドル台へ。上下に大きく振れるジェットコースター相場だった。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「トルコ情勢」について。
前者は、新型コロナの感染が斑模様で国によってだいぶ対応が異なるようだ。実際、フランスはカステックス首相が「新型コロナの第3波は過ぎ去った」と述べるような状況である反面、同じ欧州でもドイツは24日から「夜間外出禁止措置」という非常に強い措置の導入が決定されている。また、先で指摘したように「東京など4都府県に緊急事態宣言」が発令された日本や、インドなども感染拡大で苦境に立たされている感を否めない。そうしたなか、米保健当局が、血栓の報告を受けて使用中止措置をとっていた「J&J製ワクチンの使用再開決定」するなど、ワクチンに関する興味深いニュースもいくつか観測されている。

対して後者は、米ホワイトハウスが「バイデン氏がトルコ首脳と電話会談、6月直接会談で合意した」と発表。融和姿勢が示されるなか、バイデン氏が別途「第一次大戦当時のアルメニア人迫害は『虐殺』と認定」などと発言したことで、空気が一変した。オスマン帝国の後継国家であるトルコはバイデン氏の「認定」発言に強く反発、大統領報道官からも「まったくの言語道断」との発言が聞かれたうえ、トルコ政府として数ヵ月内に対応するとの考えが聞かれている。続報などに要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

先週のドル/円相場は、細かな上下動を繰り返しつつ、連日のようにレンジを切り下げる展開。週末に一時107.48円までドルは下落したが、本日東京時間に同レベルを割り込むことは出来なかった。このあとの欧米時間、ドルの下値については、まず同レベルの攻防に注目だ。それに対するドルの上値も先週はじりじりと切り下がっており、それからすると108.15-25円レベルが目先の抵抗か。上値は重そうだが、超えれば市場の雰囲気が少し変化することになるかもしれない。

材料的に、いくつか気になるものがあるが、取り敢えずは広義の米ファンダメンタルズ要因が注視されており、具体的には発表される米経済指標や企業決算の内容などに要注意。とくに後者である企業決算、なかでもテスラが場合によっては市場の波乱要因になりかねないと思っている。NYダウなどの米株は先週やや上げ渋りの様相を呈したが、次なる動意に向けたひとつのメルクマールになる可能性も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は日足・一目均衡表の先行帯の雲の中に埋没、フィボナッチではサポートの107.75-80円を割り込むなど、下方向のリスクが高い足形だ。先週安値107.48円をしっかり割り込めば、ドルはさらに続落。107円割れを目指す展開をたどっても不思議はないだろう。ドルは、じりじりとした値動きで過熱感が出にくいものの、それでもドル安傾向が1ヵ月近くに及ぶことを気にする声も高まりつつある。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、3月の耐久財受注速報や4月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債や5年債の入札が見込まれており、それらには要注意。また、前述したテスラなど米企業決算発表にも引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.20-108.20円。先でも指摘したようにドルは下値が切り下がると同時に上値も少しずつ切り下がっており、まずは108.15-25円が最初の抵抗か。超えてくれば108円半ばが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末に示現し、まだ割り込めていない安値107.48円が最初のサポート。割り込めば107円割れも視界内に入ってくる。

ドル安基調継続か、ただ底堅いとの見方も

ドル円日足


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