薄商いで基本はレンジ、米雇用統計に要注意(4/2夕)

2日の東京市場はドルが小安い。値幅は狭いが、終盤にかけて下げ幅を拡大させる展開で、引け味は悪かった。

薄商いで基本はレンジ、米雇用統計に要注意(4/2夕)

薄商いで基本はレンジ、米雇用統計に要注意

〇ドル円、110円半ばを中心とした30ポイントに満たないレンジ取引、終盤にかけてややドル売り優勢
〇本日、イースターで主要な市場が休場、売買は全般的に手控えられ気味
〇新型コロナ、欧州を中心に感染拡大、仏独では行動制限も
〇イラン情勢、核活動や核合意をめぐる動き報道される
〇イースター休暇で商いが薄い中、本日3月米雇用統計発表予定、内容次第では乱高下のきっかけにも
〇111円を超えれば111.70レベルが視界内に、110円をしっかり割り込むと波乱の値動きの可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.80-111.00

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はドルが小安い。値幅は狭いが、終盤にかけて下げ幅を拡大させる展開で、引け味は悪かった。

ドル/円は110.60円前後で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。110円半ばを中心とした30ポイントにも満たない取引をたどっていた。イースターで主要な欧米市場だけでなく、香港やシンガポールなどアジアでも休場となった先はあり、売買は全般的に手控えられ気味。ただ、そうしたなか終盤にかけては、ややドル売りが優勢となり、一時110.40-45円へ。16時現在でもドルは安値圏、110.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧州を中心とした新型コロナの感染拡大」と「イラン情勢」について。
前者は、昨日もフランスが「パリなど一部に適用していたロックダウン(都市封鎖)措置を全国に拡大する」と発表したことを取り上げたが、それに続き今度はドイツの首都ベルリンが「イースターを含めた2日から夜間の集会を禁止する」と宣言していた。なお、そうしたなか、WHOのクルーゲ欧州地域事務局長から「欧州地域での新型コロナワクチン接種は、受け入れがたいほど遅い」との批判コメントも聞かれていたようだ。
対して後者は、中国や北朝鮮といったアジア情勢が連日取り沙汰されるなか、イラン情勢あるいは核合意をめぐる動きが再び俎上に。日経新聞が「イラン、中部ナタンズの核施設で核活動を拡大」などと報じたうえ、毎日新聞も「イランと英独仏、核合意立て直しに向け3月末に高官級会合を実施」と指摘している。また、そうした状況を踏まえたうえで、EUをはじめとするイラン核合意の当事国が「米復帰の可能性めぐり2日に協議」することが明らかになった。動静には一応要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は依然として、大きな流れがドル高方向にバイアス掛かるも、短期的には若干の風向きの変化もうかがえる。ここ数日、ドルは連日のように下値を切り上げる展開をたどってきたが、本日東京時間に昨日安値110.55円をアッサリ下回ってきたことは気掛かりだ。110円を超えたのち一度も割り込んでいない110円レベルを「しっかり」割り込むようだと、イースター休暇で商いが薄いなか、波乱の値動きをたどる可能性もありそうだ。
本日はイースターで主要な欧米市場が休場となることもあり、基本的にはレンジ取引を見込む向きが少なくないものの、そうしたなか3月の米雇用統計が発表される予定となっている。指標の内容如何では乱高下のトリガーを引くことにもなりかねないだろう。ちなみに、市場でもっとも注視されている非農業部門雇用者数はプラス65万人ほどと、前月からの大幅増が見込まれている。

テクニカルに見た場合、ドル高基調は継続しているが、対円では年明けから3ヵ月、価格にして8円を超える上昇をたどっていることもあってか、目先は上げ渋りの感も。111円を超えれば次の強い抵抗である111.70円レベルが視界内に捉えられる反面、110円をしっかり下回るとなかなかの深押しをたどる危険性もないではない。いずれにしても、本日は米雇用統計の内容次第といえそうで、発表前後の値動きには要注意だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、3月の米雇用統計が発表される予定だ。一昨日に発表された3月のADP雇用統計、昨日の新規失業保険申請件数とも決して悪い数字ではなかったが、揃って事前予想を下回っただけに、本日の数字は果たして如何に。また、それとは別に失業率の改善の有無を注視している声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.80-111.00円。上方向は、直近のドル高値である110.97円をめぐる攻防にまずは注目。それを超えると当然111円台乗せ、次の強い抵抗である111.70円レベルも視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の110.40-45円がサポートとして意識されている。割り込んでも買い遅れ筋によるビッドは厚いが、110円レベルを割り込むと波乱の様相も。

薄商いで基本はレンジ、米雇用統計に要注意

ドル円日足


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