円全面安継続か、ただ週末調整にも要注意(3/12夕)

12日の東京市場はドルが小じっかり。引き続き東京時間はビッドが強く、ドルの買戻しが優勢だった。

円全面安継続か、ただ週末調整にも要注意(3/12夕)

円全面安継続か、ただ週末調整にも要注意

〇本日のドル円、ドルが小じっかりした展開、夕方108.90前後まで値を上げる
〇EUと英国、コロナワクチンをめぐり対立、外交問題に発展しつつある感も
〇中国が「香港選挙制度の全面改革議案」可決したことに対し、英米から非難の声あがる
〇最近のドル円、東京時間はドル高・円安、欧米時間はドル安・円高となり、結果として「行って来い」
〇米長期金利や株、ビットコイン等ほかの金融市場の動きも要注意
〇本日、2月生産者物価指数や3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.30-109.30

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場はドルが小じっかり。引き続き東京時間はビッドが強く、ドルの買戻しが優勢だった。

ドル/円は、寄り付いた108.45-50円を日中安値にドルがじり高推移。途中で上げ渋る局面も観測されたが、夕方には108.90円前後まで値を上げている。結果として「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、16時現在ドル/円は108.85-90円とそのまま日中高値圏をキープ、欧米市場を迎えていた。
なお、円は本日も全面安の様相をたどっており、クロスも総じて堅調裡。ポンド/円が一時152円台を示現し連日の年初来高値更新をたどるなか、ユーロ/円も同様の高値更新を記録している。

一方、材料的に注視されていたものは、「EUと英国の対立」と「中国情勢」について。
前者は、英国のEU離脱について長らくゴタゴタをたどったが、それがようやく解消したものの、ここにきてコロナワクチンをめぐり双方の対立が再び観測されている。事実、EU側が先日唐突に「英国がワクチン輸出を禁止している」と非難を表明。それを受けて、今度は英政府が駐英のEU高官に抗議するなど、外交問題に発展しつつある感も否めない。そうしたなか、バレデアルメイダ駐英EU大使から「より建設的な対話を追求するべき」などとしたうえで、英国に関係修復を呼び掛けるコメントが発せられていた。
対して後者は、11日閉幕した中国の全人代で、当初の予定通り「香港選挙制度の全面改革議案」が可決された。それについて、英外相が「中国は自らの約束に反し、香港での民主的な討論の空洞化をまた一歩進めた」などと批判。また米国務省のプライス報道官も、中国による香港の選挙制度改革を非難したうえで、来週行われる米中の外交トップによる会談が厳しいものになるとの見方を示していた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日も報じたが、本日を含め最近の「東京時間はドル高・円安。それも『寄り付き安・大引け高』に近い値動き」。それだけをみればドルの基調の強さを感じるが、少し話を続けるならば欧米時間は東京と逆方向、つまりドル安・円高へと振れる展開で、結果として「行って来い」をたどっている。いずれにしても、それからすると足もとのドルじり高の動きは実はダマシであり、このあと流れが再び反転する展開にこそ注意が必要なのだろう。
一方、一時期調整色の強かったNYダウをはじめとする米株や暗号資産ビットコインなどは足もと堅調裡。実際、NYダウは連日の史上高値更新、ビットコインも同じく史上最高値に迫る動きが観測されていた。米長期金利などを含め、ほかの金融市場の動きには本日も要注意だ。バイデン氏が署名し、1.9兆ドルの米コロナ追加経済対策法が成立したことなどを考慮すると、もう一段の上値を試す可能性も否定できないが、週末というカレンダー要因を加味すれば、逆に調整の動きに注意すべきなのかもしれない。

テクニカルに見た場合、今週のドル/円相場は大きく動いた先週の反動もあってか、ここまでおよそ1円レンジ。108.25-109.25円といった値動きにとどまっている。まずは、そんなレンジ取引を脱却できるか否かに注目だ。基本的なリスクは上向きで、週間高値を超えていく公算が高そうだが、クロスを含めて円売りポジションの偏りを考えると短期的に調整の動きから円が買い戻される可能性も否定できない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の生産者物価指数や3月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値といった米経済指標が発表される予定となっている。先週末の米雇用統計に続き、昨日の新規失業保険申請件数も良好な内容だったことで、米経済指標への期待感がさらに高まった感もあり、本日もその内容には要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.30円。上方向は、本日も接近したがとどかず。9日の欧米時間以降超えられていない109円レベルの攻防にまずは注視。超えれば、前回高値109.23円や109円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、意識されている下値メドは108.34円だが、正直少し遠くなりつつある感も。ただ、ポジションの偏りを考えると、本格的な崩れを見せれば一気に下げが加速するのかもしれない。思わぬ深押しにも一応要注意。

円全面安継続か、ただ週末調整にも要注意

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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