ドル続伸期待強い、110円到達にも現実味(3/9夕)

9日の東京市場はドルが続伸。前日超えられなかった109円台を回復、昨年6月高値109.85円も薄っすら視界内へと捉えられてきた。

ドル続伸期待強い、110円到達にも現実味(3/9夕)

ドル続伸期待強い、110円到達にも現実味

〇本日のドル円、ドルが続伸し前日超えられなかった109円台を回復
〇米商務長官、「強いドルは米国のためになる」とコメント、バイデン政権の為替スタンスはドル高か
〇3月のドル円月間変動は早くも2.8円超える、今後米株と長期金利の動きに注目
〇本日東京高値を超えれば、昨年6月高値109.85あるいは110円が現実的なターゲットとなるか
〇本日、米財務省による3年債入札実施の見込み
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.60-109.60

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場はドルが続伸。前日超えられなかった109円台を回復、昨年6月高値109.85円も薄っすら視界内へと捉えられてきた。

ドル/円は寄り付いた108.80-85円を日中安値に、緩やかな右肩上がり。109円前後では若干の上げ渋りも観測されたが、上抜けると一気に109.20-25円まで値を上げている。日米株価の動きなどをにらみつつ、16時現在ドルは109.10-15円の日中高値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、ドル/円以外でも円は引き続き全面安の様相。なかでもカナダ/円やポンド/円は再び年初来高値を更新するなど騰勢が止まらない。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立」と「米国の為替スタンス」について。
前者は、中国の王外相が台湾との関係強化政策を見直すよう米国に求めたことに関し、米ホワイトハウスのサキ報道官は「台湾が十分な自衛能力を維持できるよう支援を続ける」と反論し、台湾との協力を継続する考えを表明した。また共同通信によると、日米両政府は、中国を念頭に外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を16日に東京で開催する方向で最終調整に入ったという。それに対し、中国は全人代で、外国による制裁や外国の「広い法域」に対処するための立法を加速すると表明、対立の姿勢を改めて明らかにしている。

対して後者は、何故か市場の反応はいまひとつだったが、CNN発で非常に興味深い発言が聞かれている。それは、レモンド米商務長官のコメントで、ドル安を支持するかとの質問に対し「しない」と回答したうえで、「強いドルは米国のためになる」と述べたとされていた。イエレン氏も財務長官に就任する前、上院の指名公聴会で「米国は競争を有利にするために弱いドルを求めることはない」と発言しており、バイデン政権の為替スタンスは取り敢えず「ドル高」ということが言えるのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日、「今年2月、月間を通して2.3円ほどしか動かなかったドル/円が、3月に入った途端1週間で2.2円強と、ほぼ同じだけの変動を記録している」−−と報じたが、昨日の欧米時間そして本日東京でドルはさらに続伸。開始から10日もたたずに、3月の月間変動は早くも2.8円を超えてきた。これは1月も上回る今年の月間最大変動だ。経験則にみても、過去の3月相場は大きな変動をたどるということが少なくないが、今年についてもそんなセオリーを踏襲するのか否か、引き続き注意を払いたい。
このあと動静が注視されているのは米株と長期金利の動き。うち、前者についてはNYダウが持ち直しの動きだったが、ナスダックは下落に転じるなど値動きマチマチで、かつてのような強気一辺倒といった雰囲気でもないことが気掛かり。ドル/円をはじめ、円全面安の流れではあるが、高値掴みなどにも注意しつつ、慎重に取引を進めたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は連日の高値更新。ついに109円台へと達してきた。遥か遠い存在と目された昨年6月高値109.85円も、気が付くと現実のターゲットとして意識され始めている。本日東京高値の109.20-25円を超えれば、109.85円あるいは110円がしっかりと認識されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、米国に関する目立った経済指標の発表は予定されていないものの、米財務省による3年債入札が実施される見込みだ。こちらは一応要注意。ただ、全体とすれば、新規材料に乏しくやや動きにくそうな雰囲気も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.60-109.60円。上方向は、まず東京高値の109.20-25円の攻防に注目。超えれば109.85円が現実的な上値メドに。
対するドル安・円高方向は、108.80円レベルあるいは108.60円レベルなどが最初のサポートとして意識されている。底堅そうな雰囲気ではあるが、ポジションの偏りなどもあり、一旦崩れればなかなか大きな下げをたどる可能性もある。

ドル続伸期待強い、110円到達にも現実味

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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