円全面安継続なるか、米雇用統計に注目(3/5夕)

5日の東京市場はドルが続伸。一時108.30円レベルをつけるなど、連日のドル最高値更新となっている。

円全面安継続なるか、米雇用統計に注目(3/5夕)

円全面安継続なるか、米雇用統計に注目

〇ドル円、一時108.30レベルをつけるなど、ドルが続伸
〇中国、本日から始まった全人代において香港や米中経済関係について発言
〇米FRB議長、早期の利上げ観測に否定的な見解を示す
〇円全面安の流れ、今週だけで2円近いドル高の進行、一部では高値警戒感も
〇本日発表の米1月貿易収支、2月の雇用統計に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ107.70-108.90

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場はドルが続伸。一時108.30円レベルをつけるなど、連日のドル最高値更新となっている。

ドル/円は107.95円レベルで寄り付いたのち、108円にワンタッチするも突破できず。しばらくは107円台後半での揉み合いに。しかし、夕方に掛けてしっかりと超えると、その勢いのまま夕方には一時108.30円レベルまで値を上げている。16時現在でもドルは高値圏をキープ、108.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、円は対ドルだけに限らず、ほぼ全面安の様相。とくにポンド/円やカナダ/円は、年初来高値を意識した高原推移をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米経済情勢」について。
前者は、米紙WSJが「WHO、コロナ起源調査の暫定報告書の公表取り止めを計画」と報じ話題に。中国に忖度した結果ではないかとの思惑を呼ぶ。そうしたなか、米商務長官が人権問題などを例に挙げ「中国に責任を問う」と発言した反面、中国サイドは本日から始まった全人代において、「香港立法会と行政長官の選挙ルールを見直し方針」を示したほか、李首相から「平等と相互尊重に基づき、相互に有益な米中経済関係の発展を促す」との発言が聞かれていたようだ。
対して後者は、昨日発表された週間ベースの失業保険申請書数が予想より改善したものの、前週比では悪化。また、前週発表分も上方修正されるなど、雇用環境の回復の鈍さが明らかになった。そうした状況下、パウエルFRB議長は講演で改めて「政策スタンスは適切」としたうえで、早期の利上げ観測に否定的な見解を示している。

<< 欧米市場の見通し >>

円全面安の流れが止まらないどころか、さらに加速している感。ドル/円は昨日超えられなかった108円を超え、108.30円レベルまで上値を伸ばしてきた。ちなみに、今週このまま終わったとすれば、ザックリ「週初安・週末高」で、その間のドル高はおよそ2円にも達する。テクニカルにも、さらなる上値トライが見込まれる足形だが、短期的にはやや行き過ぎとの見方に週末という日柄的な要因を加味した一時的な調整を警戒する声もある。
このあとの欧米タイムにまず注目されるのは、発表される2月の米雇用統計。先日発表されたADP雇用統計が冴えなかったうえ、前述したように昨日の新規失業保険申請件数もいまひとつ。それらからすると、本日の雇用データも厳しい内容となるのかもしれない。また、それ以外では、政府が「午後8時から新型コロナ対策本部で緊急事態宣言延長を決定し、同9時から菅首相の記者会見を開く」と発表したほか、小池都知事も同じような時間帯に会見を開く見込みと一部で報じられていた。発言には一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円はついに108円台へ。先でも指摘したように、今週だけで2円近いドル高の進行となる。再三再四報じてきた昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは、76.4%戻しにあたる108.15円も超えており、次なるターゲットは100%戻し。つまり、109.85円となる。ともかく、基本的なリスクはドル高方向で間違いないものの、一部からはさすがに高値警戒感も取り沙汰され始めているようだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月の貿易収支や2月の雇用統計といった米経済指標が発表される見込み。そのなか、とくに後者の数字が注目されており、なかでももっとも関心の高い非農業部門雇用者数はプラス20万人程度が見込まれているが、果たして実数値は如何なるものとなるのか注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.70-108.90円。上方向は、本日東京で記録した戻り高値108.30円の攻防にまずは注目。超えれば108円半ば、さらには109円台乗せの可能性も否定できない。
対するドル安・円高方向は、ここまでのドル安値である107.80-85円レベルが最初のサポート。また下回っても下値は堅そうだが、ポジション的には偏りが目立ちはじめているだけに思わぬ下押しにも一応要注意だろう。

円全面安継続なるか、米雇用統計に注目

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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