ドル円 FRB議長証言を注視、内容次第で乱高下も(2/23夕)

23日の東京市場はレンジ取引。東京休場のなか、積極的な動意は終日を通してうかがえなかった。

ドル円 FRB議長証言を注視、内容次第で乱高下も(2/23夕)

ドル円 FRB議長証言を注視、内容次第で乱高下も

〇ドル円105円挟みで一進一退積極的な動意なし
〇豪ドル対ドルでの年初来高値を更新
〇米株上値重く調整入りか、調整から下押しの場合ドル一段安も
〇今晩のパウエルFRB議長の米上院銀行委員会での議会証言要注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.60-105.60

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場はレンジ取引。東京休場のなか、積極的な動意は終日を通してうかがえなかった。

ドル/円は105.05-10円で寄り付いたものの、東京休場もあり動意に欠ける。終日を通した値幅は20ポイント程度。105円挟みの一進一退にとどまり、明確な方向性はうかがえなかった。16時現在では105.10円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
ただ、ドルは全般的に冴えない値動きで、豪ドル/ドルが年初来高値を更新(ドルの年初来安値を更新)するなど、対ポンドやカナダ、NZドルなどでも年初来安値圏での推移をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、IAEAトップのグロッシ事務局長がイランを緊急訪問。当初は「査察受け入れ停止」と決定されたものを覆したが、昨日は同国最高指導者のハメネイ師が「核活動をめぐる米国の圧力に決して屈しない」と述べたうえで、「必要に応じてウラン濃縮度を最大60%に引き上げる可能性がある」との考えを示し話題に。やはり、コトが簡単に進展するということはなく、依然として紆余曲折は避けられない状態だ。

対して後者は、ジョンソン英首相は当初予定されていたとおり「ロックダウンの段階的解除計画」を発表。その背景のひとつになったのか、ロイターは「英保健当局が、米ファイザー製ワクチンの初回接種でコロナ感染が約70%減少したことを明らかにした」とも報じている。英国以外でも足もとはやや感染拡大が沈静化している先が少なくないが、日本については慎重になっている向きが多いようで、時事通信は「東京都、緊急事態宣言の早期解除を要請せず」などと指摘していた。

<< 欧米市場の見通し >>

NYダウは、ここ数日底堅く31000ドルを一度も割り込んでいないものの、上値も重く32000ドルにはとどかないという強保ち合いの展開だ。また同じ米株でいえば、ナスダックは昨日300ポイント以上下落している。一足早く調整局面入りした感を否めないだろう。ともかく、これまで為替市場においてもドル高基調を牽引してきた一因である米株が伸び悩み、あるいは調整から下押しをたどるとすると、歩調を合わせる格好でさらなるドル安が進行しても不思議はないのかもしれない。

このあとも、引き続き米株と米金利の動きを注視しつつ、本日は半期に一度実施される米上院銀行委のパウエルFRB議長議会証言に要注意だ。最新の景気判断を踏まえたうえで今後の金融政策スタンスに如何なる考えを示すのか、そして現在も連日高値圏での推移が続くNYダウやビットコインなどについて警戒を発するコメントが聞かれるのか、などがとくに注目されている。発言内容によっては波乱もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日東京時間に移動平均の200日線を上回り、ドル高再燃観測も取り沙汰されていたが結局ダマシ。それどころか、右肩上がりをたどる21日線(104.90-95円)割れを視野に入れた展開で、ドルの下値リスクが高まりつつあるようだ。仮に下げ止まらずに、しっかりと割り込むようだとドルの続落、104円台前半をメドにした続落を否定できないのかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる対立や人権問題などで話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債の入札が予定されている。また、前述したFRB議長の半期議会証言も予定されているなど、材料は少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.60-105.60円。上方向は、昨日再び下回ってきた移動平均の200日線が位置する105円半ばの攻防に注視。抜けると105.85円レベルなどが弱い抵抗として意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線も位置する本日東京安値の104.90-95円が最初のサポートか。下回ってくると10日安値の104.41円がターゲットに。(了)

注:ポイント要約は編集部

ドル円 FRB議長証言を注視、内容次第で乱高下も

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る