レンジ継続予想のなか、イエレン発言に注意(21/2/12)

12日の東京市場はドルが小高い。一時104.90円近くまで値を上げるなど、10日高値を上抜けたが頭も重く、105円にはとどかなかった。

レンジ継続予想のなか、イエレン発言に注意(21/2/12)

レンジ継続予想のなか、イエレン発言に注意

〇ドル円、一時104.90近くまで値を上げ2/10高値を上抜けたが、105円には届かず
〇ビットコイン、最高値更新したばかりだが本日さらに続伸
〇新型コロナ、引き続き厳しい状況や変異株への懸念が日本や英国で報じられる
〇米中首脳会談が2時間に及んだと公表、詳細には言及せず今後憶測が高まる可能性も
〇中国の旧正月や米市場の3連休前で薄商い、本格的な動意は旧正月明けの2/18以降との声も
〇本日オンラインでG7財務相・中銀総裁会議実施、イエレン米財務長官の外交デビュー戦となる
〇本日、2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報発表やNY連銀総裁による講演の予定
〇ドル/円予想レンジは104.40-105.20

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場はドルが小高い。一時104.90円近くまで値を上げるなど、10日高値を上抜けたが頭も重く、105円にはとどかなかった。

ドル/円は104.70円前後で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。終日を通した値幅が20ポイント程度にとどまるなか、そのなかで10日高値を一時更新するなどドルが小じっかり。ドルは対ポンドなどで買い進められ、ドル/円もそれに連れ、ややドル高に振れた展開だった。16時現在では高値圏の104.80-85円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、前日48600ドル台を示現し、再び最高値更新した暗号資産(仮想通貨)ビットコインは本日さらに続伸。一時49000ドルを視界内に捉えた動きも観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米中情勢」について。
前者は、日本政府が10都府県に発令している緊急事態宣言の解除について、「全地域で見送る方針」などと伝えられたほか、欧米諸国も引き続き厳しい状況が示されている。また英BBCは、英遺伝科学者が、英国で発見されたコロナ変異株について、「再び変異しワクチン効果を脅かす恐れがある」などと懸念を表明したと報じていた。各国でワクチン接種が活発化してきたが、効果について疑念を抱く声もチラホラ聞かれ始めているようだ。まだまだ予断を許さず。
対して後者は、バイデン米大統領が、民主・共和両党の上院議員4人と会談するなか、中国を「最大の競争相手」として、大規模なインフラ改善計画について迅速な行動を求めたことが明らかに。また、現地時間10日に実施した米中首脳会談は2時間に及び、異例の長さになったことも公表していた。詳細な内容は言及しなかったことで、今後金融市場などで憶測が高まる可能性もある。

<< 欧米市場の見通し >>

中国が旧正月に入ったことなどもあってか、ドル/円の動意も再びレンジ取引の様相を呈してきた。先週末の105.76円でドル上値、今週10日の104.42円では逆に短期的な下値を試した感もあり、しばらくは前述した1円強というボックス内での一進一退をたどる可能性も指摘されている。なお、引き続き中国などの旧正月に加え、NYは月曜日が「プレジデントデー」で休場の3連休前となることを考え合わせると、本格的な動意は旧正月明けの18日以降とする声も台頭していたようだ。
米株や金利の動きを注視しつつ、為替市場は目先トレンドレス。ただ、全般的に売買の手控えが予想されるからこそ、薄商いのなかの乱高下や、ニュースなどとは無関係の突発的なポジション調整など広義の需給要因に注意を払いたい。そのほか材料的には、本日オンライン方式で「G7財務相・中銀総裁会議」が実施される見込みとなっており、そちらには一応注目。とくに、米国のイエレン財務長官にとっては外交デビュー戦となるだけに、その発言が注視されていた感もある。

テクニカルに見た場合、先週末などにドルの上値を阻んだ移動平均の200日線が位置する105.60円前後が強い抵抗だが、ここ数日は105円にも届いておらず、短期的には104円台後半から上値もかなり重くなってきた印象だ。引き続き、105円をめぐる攻防を注視。
ただドルの下値も堅く、10日安値の104.42円は早くもなかなか強いサポートとして意識され始めている感も否めない。つまり、最悪のケース(?)では104.40-105.00円といった非常に狭い取引をたどることになりそうだが、果たしてどうなるだろうか。

材料的に見た場合、領有権や人権問題などで様々な対立を抱える「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報という米経済指標が発表される予定となっている。足もと2月分のデータということもあり、市場の注目度は決して低くない。また、ウィリアムズNY連銀総裁による講演や、先で指摘したイエレン米財務長官のデビュー戦となるG7財務相・中銀総裁会議などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.40-105.20円。本日東京高値の104.85-90円をめぐる攻防を注視。超えればいよいよ105円台回復が現実のものに。ただ、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、強いサポートとなると直近安値の104.42円。ただ、時間足などでは104.70円、104.55円なども目先のテクニカルサポートか。まずは後者を下回れるか否かに注目されている。

レンジ継続予想のなか、イエレン発言に注意

ドル円日足



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