イエレン発言注目、ただ基本はレンジ継続か
〇ドル円、積極的な動意なく、103円後半の15ポイント程度のレンジ取引に終始
〇ドル円、2週間以上1円強のレンジ取引続く、週末にかけて注目材料ありレンジ放れ達成するとの見方も
〇世界の新型コロナ感染者が明日にも1億人の大台に、ワクチン関連など続報に注意
〇イエレン新米財務長官が米上院で「宣誓」予定、発言が注視される
〇本日発表の米経済指標、米5年債入札、「ダボスアジェンダ」での要人発言にも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.30-104.10
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場はほぼ横這い。103円後半の15ポイント程度のレンジ取引で、目立った変動はうかがえなかった。
ドル/円は103.75円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。終値ベースで276円安となった日経平均など軟調に推移した日米株価をにらみつつも、結果的にあまり材料視されることなく、103.65-80円といった非常に狭いレンジ取引に終始した。16時現在では103.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「欧州の政治不安」と「米中関係」について。
前者は、「イタリアのコンテ首相が早ければ26日にも辞表提出する見通し」などと報じられ話題に。19日に実施された上院の信任投票を乗り切ったものの、絶対多数の票は確保できず、むしろ政権はさらに危機的な状況に追い詰められている感を否めない。24日に実施されたポルトガルの大統領選では現職のレベロデソウザ氏が再選を果たしたものの、ドイツのメルケル首相が今年の任期満了を持ち政界引退を表明するなど、欧州全般をめぐる政権不安は依然として払拭しきれていない状況だ。
対して後者は、世界経済フォーラム「ダボスアジェンダ」で中国の習国家主席が講演。名指しこそしなかったが、「新冷戦や制裁は世界を分裂に向かわせ対立させる」、「国際社会は1ヵ国や数ヵ国が命令するものであってはならない」などと発言し、暗にバイデン米新政権をけん制していた。それに対し、米国サイドはサキ報道官が習氏の発言に反論したうえで、「中国を国際ルールに従わせるために忍耐強いアプローチから始める」などと発言したと報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は103円台を中心とした1円強のレンジ取引がすでに2週間以上。期間をさらに狭め、1週間程度と考えれば取引レンジはさらに狭く1円にも満たない。ごく目先に限れば、そんなレンジ取引が続く可能性を否定できないものの、今週は週末にかけて注目材料があることから、どこかでレンジ放れを達成するとの見方が期待半ばで取り沙汰されていた。
まったく嬉しくないニュースだが、新型コロナウイルスの世界の感染者は、早ければ日本時間明日にも「1億人」の大台に到達する見通しだ。ちなみに、米ジョンズ・ホプキンス大学の最新集計(26日午前3時段階)では9936.8万人となっている。米モデルナから「ワクチンは南アで発見された変異種に対し効果が弱まる恐れ」といった発表がなされるなど、やや気掛かりな報道もいくつか観測されており、続報には十分な注意を払いたい。一方、米上院において超党派の賛成多数により承認されたイエレン新米財務長官が、「宣誓」を行う予定とされており、その発言が改めて注視されているようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き103円を中心とした往来相場で方向性に乏しい。依然として103.30-104.10円、先週形成したレンジをどちらの方向に抜けていくのか、その方向性が注視されている。どちらに値が走るのか、可能性はほぼ五分だが、上方向の場合には強い抵抗である移動平均の90日線を超えていくことにもなりかねず、ドルはさらなる続伸も否定できないだろう。
材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン次期米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による5年債入札も実施される見込み。また、昨日は中国の習国家主席講演が話題となった「ダボスアジェンダ」は29日まで開催されており、本日も要人による講演が行われる見通しだ。引き続き要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.30-104.10円。昨日NY高値である103.93円が最初の抵抗に。超えれば104円台を回復し、前回高値104.08円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる103.65円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば先週安値の103.33円、103円前後などが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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