ドル円、一目均衡表雲をバックに上値重く推移。103円台半ばへじりじり下落
○ドル円米国時間にかけて103.56まで下落、引けに小反発するも戻り鈍く103.63近辺で推移
○ユーロドル欧州時間朝方1.2108まで下落後、米国時間にかけて1.2176まで反発
○1月分の米国経済指標強弱まちまちで市場への影響限定的
○ドル円テクニカルには移動平均線のパーフェクトオーダーも出現で弱い地合
○本日はFOMCとFRB議長会見に注目、テーパリング議論一蹴ならドル売り再開警戒
○本日の予想レンジ:103.00ー104.00
海外時間のレビュー
26日(火)の外国為替市場でドル円は上値重く推移。@欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力や、AFOMC(米連邦公開市場委員会)を前にした警戒感、Bテクニカル的な地合いの弱さ(一目均衡表雲の垂れ下がり)が重石となり、米国時間にかけて、安値103.56まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時20分現在)では、103.63近辺で推移しております。尚、昨日発表された1月分の米国経済指標は強弱まちまちの結果(米1月リッチモンド連銀製造業指数が市場予想を下回る一方、米1月コンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回る結果)となったため、相場への反応は限定的となりました。
26日(火)のユーロドル相場は下落後に急反発。@イタリアを巡る政局不透明感の高まりや、Aアジア株の軟調推移(リスク回避のドル買い)、B欧州圏における新型コロナウイルス感染拡大が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.2108まで下落しました。しかし、一目均衡表雲上限をバックに下げ渋ると、C欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力や、DFOMCを前にしたポジション調整、E短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.2176まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時20分現在)では、1.2168近辺で推移しております。尚、昨日は一部通信社による「ECBはFRBとの政策の違いが為替レートに与える影響を調査」との報道を受けて、一時反落する場面も見られましたが、市場の反応は限定的なものに留まりました。
本日の見通し
一目均衡表の分厚い雲が上方から垂れ下がってくる中、ドル円の軟調推移が続いております。昨日は一時103.56まで下げ幅を広げるなど、一目均衡表転換線もクリアに下抜けしました。強い売りシグナルを示唆する移動平均線のパーフェクトオーダーも出現しており、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。こうした中、本日は日本時間1/28午前4時に発表されるFOMC(連邦公開市場委員会)と、同午前4時30分から始まるパウエルFRB議長の記者会見に注目が集まります。
現行政策(ゼロ金利政策、政策金利のフォワードガイダンス、資産購入額のフォワードガイダンス)の現状維持が見込まれている為、注目されるのは特に後者となります。市場では一部テーパリング観測が燻っていますが、パウエルFRB議長、クラリダ副議長、イエレン財務長官の直近の発言を見る限り、その可能性は極めて乏しいと考えられます。むしろ、パウエルFRB議長は記者会見で「テーパリングの議論は時期尚早」と一蹴する公算が大きく、外国為替市場では、FOMC及び記者会見後のドル売り再開が警戒されております。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:103.00ー104.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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