ドル円、緊急事態宣言発令リスクを織り込む形で一時10ヵ月ぶり安値圏へ下落
〇ドル円本邦非常事態宣言に係る先行き不透明感、世界的リスク選好のドル売りに一時102.71まで急落
〇その後米主要株価指数急落にドル買戻し強まり103.15まで反発
〇ユーロドル1.2308まで上昇後リスク選好の後退に1.2250まで値を崩す
〇ドル円テクニカル、ファンダメンタルズとも地合い弱く下落がメインシナリオ
〇米ジョージア州で実施される上院議員選決選投票に注目、本日の予想レンジ:102.60ー103.60
海外時間のレビュー
4日(月)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@新型コロナウイルス(新異種)の世界的な感染拡大や、A日本政府による「首都圏(1都3県)で緊急事態宣言を最短で1/7に発令することを検討中」との発表(日本経済の先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高の波及経路)、B欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、昨年3/10以来、約10ヶ月ぶり安値となる102.71まで急落しました。しかし、C米ジョージア州の上院決選投票を前に米主要株価指数が反落に転じると(ダウ平均株価は一時700ドル超の下落)、D上記Bの逆流(米株安→リスク回避のドル買い)が生じ、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、103.15近辺まで持ち直す動きとなっております。
4日(月)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@欧米株の上昇を受けたリスク選好のドル売りを背景に、米国時間朝方にかけて、一時1.2308まで上値を伸ばすも、昨年12/30に記録した約2年9ヵ月ぶり高値1.2311をバックに伸び悩むと、A米政治の先行き不透明感を背景とした米主要株価指数の急落(米ジョージア州の決選投票を控えた警戒感→米株急落→リスク回避のドル買い)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.2250近辺まで値を崩す展開となっております。
本日の見通し
ドル円は昨年12/17に記録した直近安値102.88をついに割り込み、昨日は一時102.71(約10ヵ月ぶり安値圏)まで急落しました。この間、60分足から週足に至る全てのテナーで強い売りシグナル(一目均衡表三役逆転+弱気のパーフェクトオーダー)が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております(目先は昨年3/10に記録した安値102.00や、昨年3/9に記録した安値101.19を試すシナリオを想定)。
ファンダメンタルズ的に見ても、米金融緩和長期化観測をはじめとした構造的なドル売り圧力に加えて、本邦における首都圏(1都3県)の緊急事態宣言発令リスク(菅義偉首相は年頭の記者会見で新型コロナウイルスの感染再拡大への対応として、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏で緊急事態宣言を再発令する方向で検討に入ると明言)など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料が増えつつあります(引けにかけて米株下落→リスク回避のドル買い→ドル円上昇の波及経路が見られましたが、米株下落に端を発したリスク回避のドル買いは、時間差でクロス円下落→ドル円下落を引き起こす傾向にある為、一巡後のドル円反落に注意が必要)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米ジョージア州で実施される決選投票(民主党が2議席を獲得すればトリプルブルー成立→成立すれば早期増税リスク浮上→米株下落)に注目が集まりますが、結果判明まで数日から数週間要する可能性もあると報じらている為、最終結果が出てくるまでは各種報道に振らされる神経質な値動きが続くと予想されます。
本日の予想レンジ:102.60ー103.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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