2024年米国大統領選挙 4
いよいよあと2週間で大統領選挙である。
なぜ11月5日(火曜日)に選挙が行われるのか。
日本などはもちろん日曜日に選挙を行い、最大の投票率を期待するのが当然である。
米国の大統領選挙は毎回11月の第1火曜日と決められている。
なぜ日曜日ではないのか。簡単である。歴史的にみて投票率の最大化を忌避する勢力がいたからであり、且つ今も現存するからである。
火曜日に選挙日を設定すると、投票しにくくなる労働者階級の人たちが投票に行かないで不利になる政党、例えば、黒人支持率の高い民主党候補に不利になるように作られている。つまり一種共和党の陰謀である。そのようにしてなるべく黒人を投票させないとした歴史の産物である。
今は不在投票や、郵便による投票も大抵の州で可能なので、当初の貧困層の投票忌避の効果は薄れているが、それでも日曜日に投票するよりは、火曜日の投票は明らかに面倒である。
この種の投票に対する嫌がらせは、いろいろある。例えば投票所の数を増やさないで、投票するには長距離の移動を要するようにする。自家用車を保有しない層は明らかに投票しにくくなる。郵便投票用のポストの設置も同じくである。なるべく不便になるように作ってある。この種の姑息な嫌がらせは、たいてい共和党員が知事の州で、少しでも敵対勢力の勢いを弱めようとするための方策として取り入れられている、
一見公明正大のような選挙も裏返しで見れば、数々の歪みが仕込まれている。
選挙員(ELECTORATE)の制度はその最たるものである。各州ごとに選挙員の数が決まっており全国で538人の選挙員の過半数270人を獲得した候補者が当選するというシステムである。各州に選挙員の数が割り振られており、その州で政党の得票数で勝利した政党が、選挙員を総どりするという制度である。
本来総選挙の様に、政党の候補者の総得票数で勝敗を決定すれば公明正大でわかりやすいが、選挙員270票を目指す選挙は複雑で、総得票数が上回っていても負けるケースは幾らでもある。2016年の選挙も、ヒラリー・クリントンがトランプを3百万票上回ったけれど、投票員270票を確保できず敗北を喫している。
現在進行中の選挙もおそらく総得票数ではカマラ・ハリスが制することになるが、選挙員数でまさにネックアンドネックのいい勝負となっているわけだ。
少ない得票でも勝てるシステムというのも、共和党有利に作られたこの大統領選の仕組みの一つであり、大恐慌以降の米国政治の中で、圧倒的に民主党有利な状況の中で、民主党幹部がどうせ選挙では勝てるからと、あえて制度をいじることをしなかった怠慢が2016年のトランプ誕生を生み、政治の常識を覆した結果になった。
以上のような歪みの中であと2週間で結果が出る。数々の歪みでトランプ有利な舞台裏であるが、それでもトランプが敗北した場合に、彼は、不正選挙を打ち出してくる可能性が高い。
このような米国の選挙に比べると日本の選挙には歪みがなく、公明正大である。我々は感謝しなければならない。
オーダー/ポジション状況
- キーワード:
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.02
来週の為替相場見通し:『ドル円相場の急伸リスクに要警戒。来週はFOMCと米大統領選に注目』(11/2朝)
ドル円は9/16に記録した年初来安値139.58をボトムに切り返すと、今週前半にかけて、約3カ月ぶり高値となる153.88(7/30以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:廣田 眞弥
2024.11.01
Monthly Market Insights(24/11)日本の政局の流動化をしり目に始まったトランプトレード
10月27日に行われた衆議院総選挙で与党が過半数割れした。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:廣田 眞弥
2024.10.01
Monthly Market Insights (24/10) 米大統領選を前に再認識させられた選挙結果予想トレードの難しさ
9月に入っても為替市場で円を買い戻す動きは継続し、ドル円相場は、月単位では終わってみれば3か月連続での下落となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.10.23
ドル円 ドルは連日の高値更新、口先介入等にも注意(10/23夕)
東京市場はドルが一段高。前日、7月31日以来となる151円台を示現したばかりだが、本日は152円台まで続伸している。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.10.23
ドル円151円台後半へ急伸、一目均衡表の「雲」上放れ200日線も突破 (10/23午前)
23日午前の東京市場でドル円は急伸。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。