1985年のポンド
レーガノミクスと強いドル
今昔物語にプラザ合意の時の手書きチャートを載せましたが、最近のポンドのニュースを見ていると、先週以降1985年以来の安値を更新といったセリフをよく見かけます。1985年はどのような年だったのでしょうか?
当時の米国は1984年の大統領選挙で現役のレーガン大統領が再選し、1985年には大統領2期目に入りました。レーガン政権はレーガノミクスと名付けた経済政策を取っていましたが、その柱のひとつが「マネーサプライの伸びを抑制し通貨高を誘導、インフレ率を下げる」というものでした。
ドル円263.65、ポンドドル1.0360
結果として1985年2月にはドル高が進み、2月25日にはドル円が263.65レベル、翌26日にはポンドドルは1.0360レベルとパー(1ポンド1ドル)になるのではないかという、手の付けられないほどのドル高を演じたのです。結局、同年9月には米国はドル高政策を破棄し、プラザ合意で歴史的なドル安誘導を行うこととなりました。
この1985年2月26日のポンド安値が、ニュースで出て来る1985年以来というセリフの根拠です。当時のポンドドルの日足チャート(1985年1月〜8月)をご覧ください。
ポンドドルの日足チャート(1985年1月〜8月)
超長期のチャートから見た現在のターゲットは1.2671
2月26日に安値を付けて以降は、介入に加え急速なショートカバーで3月29日には1.2600レベル、4月18日には1.3000の高値を付け、それ以降ポンドが1.30の大台を割ることは今回のブレグジットによるポンド急落相場まで無かったのです。
さて、この1985年の安値1.0360レベルと2007年11月のポンド高値2.1160レベルからフィボナッチ戻しを計算すると、78.6%(61.8%の平方根)押しが1.2671となります。現在のポンド売り第二幕は、この1.2671をターゲットにしつつ長期的には1.0360を視野にも入れる可能性があるポンド安相場と言えるでしょう。
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