コロナ関連報道などへの一喜一憂が継続(11/19夕)

19日の東京市場は、ドルが低位揉み合い。前日記録した直近安値103.66円を下回ることはできなかったが、上値も重く、一度も104円にはとどかず。

コロナ関連報道などへの一喜一憂が継続(11/19夕)

コロナ関連報道などへの一喜一憂が継続

〇ドル円、狭いレンジ内での往来相場になり103.70-00の中で上下動をたどる
〇東京都の新型コロナ新規感染者数が534人となり過去最多を更新
〇米ファイザーの新型コロナワクチンが95%有効との結果もWHOは楽観論を戒める発言も
〇NYダウなどの米株が下げ止まればリスク回避の動きが一服、逆にドル買いが嗜好される展開も
〇本日発表の11月フィラデルフィア連銀景況指数やトルコ中銀の政策金利発表などにも注視
〇欧米時間の予想レンジ103.40-104.30

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場は、ドルが低位揉み合い。前日記録した直近安値103.66円を下回ることはできなかったが、上値も重く、一度も104円にはとどかず。

ドル/円は103.80円レベルで寄り付いたのち、狭いレンジ内での往来相場。株価の動きなどをにらみつつ、103.70-00円といった30ポイント弱のなかで、上下動をたどっていた。
なお、終盤にかけて東京都の新規感染者は534人となり過去最多を更新したとの発表や、日経平均が93円安と反落して大引けしたものの、為替市場はむしろプラス圏で推移したNYダウ先物など米株の影響をより受けていた感も否めない。16時現在では103.85円前後で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米大統領選」について。
前者は、新型コロナの感染拡大が依然として止まらない。日本も前述したような状況で予断は許さないが、やはり注意を要するのは欧米諸国だ。フランス政府報道官から「ロックダウン終了には程遠い」との発言が聞かれていたほか、米NY市長は「19日から公立学校の対面授業を中止する」と発表していた。そうしたなか、米ファイザーが「新型コロナワクチン、大規模試験の最終分析の95%有効」との結果を発表したことがポジティブ要因だったが、WHO担当者からは「我々はワクチンなしで山を登らねばならない」などと過度の楽観論を戒める発言も。

対して後者は、確実に外堀を埋められつつあることは間違いないうえ、連日のように左派メディアなどから政権移譲についての糾弾が続いているトランプ政権だが、当のトランプ氏は依然として敗北を認めていない。また、トランプ氏の担当弁護士であるジュリアーニ氏も不正のあったことを示唆する発言の動画をアップしたことが明らかになるなど、敗北検討といった旨の一部報道も観測されるなか、やはり「徹底抗戦」は続くと考えて間違いないのかもしれない。いずれにしても、混乱はまだ当面続く見込みだ。

<< 欧米市場の見通し >>

為替だけに限らず金融市場全般が、新型コロナの感染拡大というネガティブニュースと、ファイザーなどによるコロナワクチンへの期待というポジティブニュースがせめぎ合う相場付きとなっている。先で取り上げたWHO担当者の発言もあり、ワクチン開発への期待については一旦落ち着いた感もあるが、それも今後の動静次第。昨日も、やや先走る格好で、アザー米厚生長官が「ワクチンが早期に認可され、数週間以内に配布される準備が整っている」と述べるなど、期待感が再び高まるような素地もなくはない。

そうしたなか、市場で注視されているのは、NYダウを中心とした米株の動き。本稿執筆段階でナスダック先物はマイナス圏だが、NYダウ先物とS&P先物はわずかながらプラス圏で推移している。ともかく、NYダウなど米株が下げ止まれば、為替市場においてもリスク回避の動きが一服、逆に一時的にせよドル買いが嗜好される展開も否定出来ない。

テクニカルに見た場合、16日に一時105円台まで上昇したのち、ドルは緩やかな下降をたどってきたが、それも昨日の103.66円で取り敢えず底打ちした感もある。ただ、すでに上値は重く、本日の東京時間にも一度も104円台に乗せることができなかった。103.65-104.00円ではさすがにレンジが狭すぎるが、ドルは低位にて上げ渋る展開が続くなどといった見方をする向きが少なくないようだ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表されるほか、本日はEU首脳会議のように欧州関係で注目材料が少なくない。また、広義では欧州ファクターに含まれるトルコ情勢、中銀総裁らが交代し新体制となった同国中銀による政策金利発表などを警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.40-104.30円。直近安値103.66円を示現後、一度も到達していない104円レベルが最初の抵抗か。超えれば104.30-40円、そして移動平均の21日線が位置する104.55-60円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した直近安値103.66円をめぐる攻防注視。なお、103.18円を起点とした短期フィボナッチでは76.4%押しもすでに下回っており、仮に割り込むようだと次の目標は100%戻しの103.18円となる。

コロナ関連報道などへの一喜一憂が継続

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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