米FOMC注視、ただドル/円は基本レンジ内(11/5夕)

5日の東京市場は、「行って来い」。昨日、ドルは結局レンジの上放れを失敗したこともあり、一時下値を試すも、終盤にかけて急速に巻き戻している。

米FOMC注視、ただドル/円は基本レンジ内(11/5夕)

米FOMC注視、ただドル/円は基本レンジ内

〇ドル円、104.20近くまで一時値を下げるも夕方にかけV字型反発をたどり104.45レベルで欧米時間へ
〇英中銀の政策発表の内容に注視、事前予想は政策金利据え置き
〇米大統領選はバイデン氏優勢へ、トランプ氏は郵便投票で不正が行われたと指摘し法廷闘争に入る構え
〇本日発表のFOMC金融政策の内容に注視
〇欧米時間の予想レンジ103.90-104.80

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場は、「行って来い」。昨日、ドルは結局レンジの上放れを失敗したこともあり、一時下値を試すも、終盤にかけて急速に巻き戻している。

ドル/円は104円半ばで寄り付いたのち、ドルは当初じり安推移。104.20円近くまで一時値を下げた。日経平均株価が終値ベースで400円以上上昇するなか、為替市場はむしろリスク志向の様相を呈していた。しかし、104円前半で底入れすると、夕方にかけてVの字型の反発をたどる。16時現在では104.45円レベルと、下げ幅のほぼすべてを解消し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国の金融情勢」と「米大統領選」について。
前者は、英中銀が5日に開かれる金融政策委員会の政策決定発表時間を、日本時間午後9時から同午後4時に変更すると発表したことがまず話題に。ちなみに、スナク財務相が新型コロナウイルス感染第2波を受けて新たな経済支援策を発表するため、予定が重なるのを避けることが理由だという。そんな中銀政策委の事前予想は「政策金利据え置き」だが、テレグラフとサンという2つの英国紙はそれぞれ「マイナス金利を検討」、「最大で2000億ポンドの量的緩和拡大を発表する見通し」−−などと報じ、物議を醸していたようだ。
 *そののち、英中銀は「政策金利を0.1%に据え置き」、「資産買い取り規模を8750億ポンドに拡大する」と正式発表している。

対して後者は、昨日東京終了時では「ほぼ五分五分」の結果ながら、「トランプ優勢」見通しさえ一部で取り沙汰されていたものの、そののち様相は一変。バイデン氏がウィスコンシン州やミシガン州で勝利を収めたことにより、「逆転勝ち」する公算が高まった感を否めない。バイデン氏自身も、事実上の勝利宣言である「十分な州を制したことは明らか」などとコメント。さらには「政権発足チームを立ち上げる」などとした報道も観測されていた。ただ、トランプ氏は「郵便投票で不正が行われた」などと指摘したうえで、法廷闘争に入る構えを見せている。決着がつくのは容易なことでないのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

「案の定」とでも言うべきなのだろうか。米大統領選は、前述したようにトランプ米大統領が郵便投票への不正を指摘したうえで、再集計を要求するとともに、法廷闘争に入る構えをみせている。もはや2000年のような長期戦も避けられない見通しだ。金融市場においても、引き続き波乱要因として今後もくすぶり続けることになりそうで、リスク要因として注意を払いたい。
「米大統領選」については依然として要注意だが、本日はNYタイムに「FOMCの金融政策発表」が予定されており、まずはそちらが注視されそうだ。時間外で取引されているNY先物取引を含め、米株が堅調推移しているだけに、株式市場関係者からは「冷や水を浴びせないような政策対応を望む」といった要望(!?)も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、昨日ドルは105.35円まで一時上昇、過去2週間近く続いていたレンジの上限を超えたものの、その後再びレンジ内へと押し戻されている。そして、本日東京時間は104円台での値動きだ。贔屓目にみても、ドルの上値トライは失敗に終わった感を否めず、レンジブレークは仕切り直しか。目先は104円台を中心とした一進一退が続く可能性を否定出来ない。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、週間ベースの新規失業保険申請件数などいくつかの米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表されたADP雇用統計とあわせ、週末の米雇用統計を見極めるうえで重要な指標だが、「米大統領選」と「米FOMC」の強力2枚看板もあり、具体的な影響は限られそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.90-104.80円。弱い抵抗が位置する104.70円前後の攻防にまずは注目。上抜けると、移動平均の21日線も位置する105円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した安値104.16円が最初のサポート。下回れば直近安値を含めた104円前後が意識される展開か。

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ドル円日足

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