米大統領選にらみ、基本はレンジ継続か(11/2夕)

週明け2日の東京市場は、ドルが小高い。変動そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相を呈している。

米大統領選にらみ、基本はレンジ継続か(11/2夕)

米大統領選にらみ、基本はレンジ継続か

〇ドル円、ドル小高く「寄り付き安・大引け高」
〇週末大地震に見舞われたトルコの通貨リラ、対ドルで史上最安値更新
〇英ジョンソン首相、5日から約1か月の外出制限を表明
〇米国新型コロナ、10/30に一日の感染者数10万233人で世界最多更新
〇本日は米10月製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数発表予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.30-105.20

<< 東京市場の動き >>

週明け2日の東京市場は、ドルが小高い。変動そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相を呈している。

先週末は、ブルームバーグによる「英EU通商交渉、英漁業水域での漁業権をEU側に割り当てる詳細をめぐり妥結案が浮上している」との報道が話題に。一方、米国では間近に迫った米大統領選をめぐる世論調査などをにらみ、一喜一憂する展開が続いていた。
そうした状況下、週明けのドル/円は104円半ばで寄り付いたものの、同レベルが日中安値となり、以降はドルが強含み。株価の動きなどをにらみつつ、104.75-80円まで上昇したのちもドルは底堅い値動きをたどると、16時現在でも104.75円前後の日中高値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなか、週末大地震に見舞われたトルコの通貨リラは本日東京でも冴えない。対ドルでは、わずかながら史上最安値を更新する局面がまたもや観測されている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米国情勢」について。
前者は、材料的には大きく2つにわけられ、ひとつは前述した「EUとの通商交渉」になる。ブルームバーグが協議の進展を示唆するなか、ロイターも「自由貿易協定など将来関係をめぐり2日に協議を行い、週半ばごろまで続ける方針」だと報じていた。予断は許さないが、一筋の光明がうかがえはじめている気もしないではない。もうひとつは、「新型コロナ」をめぐる動きで、こちらはジョンソン首相が「5日から再び外出を制限する方針」を表明。期限はおよそ1ヵ月、12月2日とされるが、英紙タイムズは「来年まで延長される可能性もある」などと指摘している。

対して後者は、ロイターが、「米国の新型コロナウイルス感染者数が10月30日に累計900万人を突破」と報じたほか、一日の感染者も同じ10月30日に10万233人を記録し、「世界最多を更新した」ことが明らかになった。そうしたなか、米大統領選に関する報道がいくつも伝えられたが、なかでもアクシオスによる「トランプ氏、開票で先行している場合には、開票終了前に一方的に勝利宣言する可能性がある」などとした内容が思惑を呼んでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

まずは明3日の「米大統領選」そして「米議会選」が注視されている。順当にいけば、日本時間4日午後あたりに大勢が判明する見通しだが、新型コロナの影響もあり、郵便投票も多く、決定は後ズレするとの見方が有力だ。ともかく、米大統領選にらみで目先はやや動きにくく、決定前後からはやや荒っぽい変動をたどる可能性を否定出来ないかもしれない。
一方、それとは別に、先で取り上げた「英国情勢」についても要注意。「EUとの通商交渉」進展を期待させる報道は明るい材料だが、反面でコロナの感染再拡大を受けた「ロックダウン導入」宣言もあり、こちらはネガティブな要因だ。また、後者である「新型コロナ」については英国に限らず、欧州全体を通しても別に注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、上値トライが「ダマシ」、下値トライも「ダマシ」と、上下両サイドとも目先に試した感があり、気が付いたら104円台を中心とした約1円レンジが2週間近く続いている。まずは、足もとのレンジを上下どちらに放れるのか、その方向性を注視したい。ただ、昨年来の相場は、先でも指摘したように「ダマシ」が多いことから、上抜けたと思ったところでの高値掴みなどにも十分に注意を要する。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、10月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。とくに後者は、関心の高い指標だが、明日に「米大統領選」を控えていることもあり、実際の影響となると限定的なものにとどまるとの声も少なくないようだ。なお、米国やカナダは1日から冬時間に移行しており、経済指標の発表時間がこれまでより1時間繰り下がることに注意をされたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.30-105.20円。先週末高値の104.74円を本日東京で超えたものの、「しっかり」上抜けたとは言えず。引き続き104.70-80円をめぐる攻防が注視されている。超えると先月26日に記録した105.05円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる104円半ばをめぐる攻防にまずは注目。下回れば104.10-15円、そして直近安値の104.03円などが意識されそうだ。

米大統領選にらみ、基本はレンジ継続か

ドル円日足


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