ドル円、今年最大のイベントである米大統領選挙を控え様子見ムードが継続
〇ドル円欧米株堅調に一時104.96まで上昇
〇ユーロドル欧州圏でのコロナ感染拡大ECB追加緩和観測米指標の好調に1.1623まで下落
〇ドル円105円をバックに上値重くチャート形状は地合いの弱さ印象付ける
〇ファンダメンタルズも下落想起材料多い
〇日本時間の本日は米大統領選挙開票速報前で様子見か
〇本日の予想レンジ:104.30ー105.30
海外時間の為替概況
2日(月)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@欧米株の堅調推移(リスク回避ムードの後退→円売り)や、A中国10月財新製造業PMI(結果53.6、予想52.8)の良好な結果、B対欧州通貨でのドル買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値104.96まで上昇しました。しかし、心理的節目105.00をバックに伸び悩むと、C新型コロナウイルスの感染拡大や、D米大統領選挙を前にした警戒感が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、104.80近辺まで値を崩す展開となっております。尚、米10月ISM製造業景況指数(結果59.3、予想55.8)は力強い結果(約2年ぶり高水準)となりましたが、市場の反応は限定的となりました。
2日(月)のユーロドル相場は続落。@欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大(ユーロ圏の大半の国でロックダウン開始。フランスでは1日あたりの感染者数が過去最多を更新)や、AECBによる根強い追加緩和観測(次回12月会合での追加緩和期待→ユーロ売り)、B米10月ISM製造業景況指数の良好な結果(ドル買い)が重石となり、米国時間午後にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる1.1623(9/28以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.1630近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、10/29に一時104.03(約1ヵ月半ぶり安値)まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転も成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(週明けのドル円は持ち直しましたが、心理的節目105.00をバックに上値は重たい)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C米政治の先行き不透明感(米大統領選挙を控えた警戒感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染拡大(欧米を中心にロックダウン再開→欧米経済の先行き不透明感→リスク回避ムード再燃)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク)、I米財政収支赤字の拡大(米債の格下げリスク)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスに関する続報や、欧米株及び欧米長期金利の動向、米大統領選挙に関するヘッドライン(思惑)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は今年最大の注目イベントとなる米大統領選挙の投開票日当日となりますが、選挙速報が報じられるのは明日11/4の日本時間午前10時以降と予想されることから、本日に限ってみれば、やや様子見―ドが強まり易い地合いが想定されます)。
本日の予想レンジ:104.30ー105.30
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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