米9月消費者物価指数(CPI)の予想
本日、米国9月消費者物価指数(CPI)が公表されます。コロナウィルスの影響で3月〜5月までは連続マイナス、6月〜7月で大きく戻しましたが、8月・9月と沈静化しています。(下図1)。コロナ前の移動平均線の高値をオレンジ色の横線で結んでいますが、このまま行けばこのラインに絡んで横這いとなる可能性が高くなっています。また、注目のコア年率(下図2)ですが、CPIコアは予想通りなら、年率で横這いになります。FRBがインフレ参考値としているPCEコアは8月まで上げていましたが、両者は相関性が高いので10月30日発表の9月PCEコアも横這う可能性が高くなります。最近米10年債金利は追加経済対策期待で強含み推移ですが、CPI年率が予想以下になった場合は長期金利に影響がでてくる可能性あります。
(2020年10月13日9時現在予想)
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。6ヶ月移動平均線(オレンジ)は8月に0.05%で、9月が予想通りなら0.15%になります。コロナ前の高値圏(オレンジ色横線)は概ね0.20〜0.23%となっています。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑より右は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
尚、本日の米国CPIの前に独とユーロ圏の10月ZEW景況感(期待)指数が発表されます。予想レンジが広いですが、もしそれよりも更に外れるとユーロドルに影響がでそうです。
下図はユーロドルの日足チャートです。中期のユーロ高を維持するには、3月底値からのサポートであるラインA(=1.1150)を守られる必要があります。その後7月底値からの上げたラインBが1.1860にあります。9月中旬にBを下抜いてから、ラインC(=1.1785)とそこから平行に下したラインD(=1.1540)でユーロ安の流れで推移してきましたが、先週金曜日にCを上抜けてユーロ高トレンドに回帰出来るか否かのところまで戻っています。Bを越えてくれれば、再びユーロ高の勢いを増して、当面はF(=1.1950)方向のトライが見られそうです。このFは実態で上抜けておらず、全てヒゲだけになっています。
そして、目先のユーロ高を維持するにはE(=1.1760)のサポートを守ることが必要になります。現在は非常に狭い範囲で見るとEとBですので、今日以降の経済指標がこのレンジ抜けの切っ掛けになるのかウォッチしたいと思います。
(10月13日11:00 1ユーロ=1.1799ドル)
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