米大統領候補討論会終了、米株の動きに注意(9/30夕)

30日の東京市場は、ドルが小安い。ザラ場ベースでは一時ドルの戻り高値を更新したものの続かず、日中安値圏へと反落している。

米大統領候補討論会終了、米株の動きに注意(9/30夕)

米大統領候補討論会終了、米株の動きに注意

〇ドル円、一時105.80レベルまで戻り高値更新後、緩やかな右肩下がり
〇米大統領候補討論会終了後の世論調査、「ややバイデン氏有利」との見方有力
〇日露首脳電話会談、菅首相「北方領土問題は先送りさせずに終止符を打つ」と決意示す
〇米株価現物も下落すれば、為替市場はドル売りで反応する可能性
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.20-106.10

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場は、ドルが小安い。ザラ場ベースでは一時ドルの戻り高値を更新したものの続かず、日中安値圏へと反落している。

ドル/円は105.60円前後でオープンしたのち、当初はドル買い先行。「トランプ氏とバイデン氏、2人の米大統領候補の討論会」をにらみつつ、月末最終日・ゴトー日などの需給要因を材料に、前日記録した戻り高値を更新する105.80円レベルまで一時値を上げている。
しかし勢いは続かず、高値示現後は緩やかな右肩下がり。夕方には日中安値の105.40-45円まで下落し、16時現在では105.55-60円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「菅政権の外交政策」について。
前者は、フィラデルフィア連銀総裁「米国の雇用は23年まで回復しない」、ダラス連銀総裁「FRBは政策金利を現行のゼロ付近に維持すべき」−−などといった発言が聞かれるなか、ペロシ下院議長とムニューシン財務長官がコロナ経済対策をめぐり協議を行ったことが明らかに。ちなみに、後者は本30日も継続して実施される見込みだという。そののち、「トランプ氏とバイデン氏、2人の米大統領候補の討論会」が行われ、バイデン氏からは予想通りトランプ氏の「過去の納税問題」が取り上げられたうえ、コロナ対応で強い批判が聞かれている。なお、終了後の世論調査では「ややバイデン氏有利」との見方が有力だったようだ。

対して後者は、菅新政権による積極的な外交政策が話題に。茂木外相から「来月6日に日米豪印、4ヵ国の外相会合が東京で開催される」との発表が聞かれたうえ、菅首相と各外相の個別会談が調整されているとの指摘も。そうしたなか、日露首脳による電話会談が実施され、菅首相は「北方領土問題は先送りさせずに終止符を打つ」などと強い決意を示したという。また、共同通信によると「菅首相が就任後初の外遊として、10月中旬にもベトナムとインドネシアを訪問する方向で調整に入った」とされ、アクティブな姿勢が金融市場でも好感されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日も報じた「上値の鬼門」である105.70円レベルを一時上抜けたものの、高値は105.80円レベルまで。そして高値を示現後は、逆にドルが軟落する展開となっている。リスクという意味では上向きだが、いまひとつ強気になり切れない面も残っていると言わざるを得ない。そうしたなか、東京の時間外取引で大きく値を崩したNYダウ先物など、米株3指数の先行きを警戒している声が多いようだ。ある程度までは織り込み済みだが、株価現物も下落すれば、為替市場はドル売りで反応する可能性もある。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。本日は月末ということで欧米要人による講演など材料が多めで、マトが絞りにくいものの、とくにとなると先でも取り上げた「ペロシ米下院議長とムニューシン財務長官によるコロナ経済対策協議」に要注意か。また、月末最終日ということで、材料ではなく駆け込み的な需給フローなどにも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、105.70円レベルを一時上抜けたものの、高値は105.80円レベルまでで、スッキリと「超えてきた」とは言いにくい動き。
一方、ドル/円相場を移動平均で考えると、ここ数日は105.60円前後に位置する21日線に絡む動きだ。本日は106円半ばに位置し、2ヵ月程度ドルの上値をキャップし続けている90日線をしっかり超えればドル高方向への展望が広がるだけに、ドルブル派からは21日線に続き早期90日線突破への根強い期待も聞かれていた。

一方、本日は、9月のADP雇用統計や同シカゴ購買部協会景気指数といった米経済指標が発表される予定となっている。また、本日も米地区連銀総裁などのほか、欧州要人による講演も多く見込まれており、そちらも要注意か。
そのほか、来月2日までの日程で実施される「英国とEUによる自由貿易協定(FTA)締結交渉」などもポンドの波乱要因となりかねないかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.20-106.10円。本日東京高値にあたる105.80円レベルが最初の抵抗。上抜ければ106円台回復も予想され、90日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の105.40-45円が目先のサポートで、割り込んでもその少し下105.20-30円は再びサポートとなる。上値も重いが下値もかなり底堅いイメージだ。

米大統領候補討論会終了、米株の動きに注意

ドル円時間足

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