NZ中銀の金融政策記者発表要旨(9月23日開催分)
昨日、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の0.25%、債券購入額(LSAP)も現行の1000億NZドル維持を決め、市場の予想通りになりました。また、議事内容にはOCRのマイナス化も前回同様に記載されています。
以下はNZ中銀金融政策記者発表要旨です。
(要旨の一部和訳)
金融政策委員会は1000億NZドルのまでの巨額債券購入プログラム(LSAP:Large Scale Asset Purchase programme)を継続することで合意した。これは委員会目標のインフレや雇用を達成するため、家計や企業が低金利での借入を一層進める上で必要だからである。OCR(中銀金利)は3月16日付けで行ったガイダンスに沿って0.25%で据え置いた。
更に一段の緩和策の必要性を反映し、委員会は追加策を展開するため中銀内で出来る手立てを進めて行くことを確認した。この内容には、借入プログラム(FLP)、マイナスOCR、海外資産の購入を含んでいる。委員会はこれらの手段が経済活動を膨らませていくのに相互の支えとなることで合意した。メンバーはまた代替案が独立して展開することでも合意した。そしてFLPは年末前にでも準備できることを確認した。
8月の金融政策時以降に入手した国内外の経済情報では、経済活動の水準が明らかにCovid-19での混乱前の水準以下で推移していることを確認した。進行中のウィルスによる活動制限…特にオークランドで…経済活動、あるいは企業や消費者の信頼感を削ぎ続けている。
国内外の経済見通しの劇的な変化は、非常に不確実性高いウィルスの封じ込め如何に掛かっている。国境間の制限は移民や観光を損ね続けるだろうし、経済活動は産業や地域を越えて不規則なものにしてしまう。NZ輸出品に関する商品価格は堅調であるが、NZドル高で一部相殺され、国内の輸出生産者への見返りが緩やかになっている。
国内経済活動へ進行中の支援は、企業支援や消費者収入支援に関して、大きな政府支出が用意されている。これは政府支出の水準増加によって伴われている。しかしながら、一時的な支援策の終了が始まっている。例えば、賃金助成計画は新規申請者には閉じられている。
国内外の弱い経済状態に沿って、委員会は、資源再配分が続く結果、失業率の増加や企業閉鎖の増加を予想している。メンバーは、インフレや雇用拡大、金融市場安定を得るためには、金融政策が長期間に亘る経済支援を準備する必要があることで合意した。彼らはまた、追加刺激策を準備することでも合意した。
(会合要旨についての議論部分は略)
尚、この議論の中で、OCRの低下やLSAPなどが為替を低く抑えてきたことを確認しています。水準についての言及はありませんでした。また、市場はOCRが来年にはゼロ以下に下げられると見ていることもメンバー内で確認しています。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP)
NZドル米ドル相場は、NY株の大幅安に伴う流動性確保のドル買い戻しにドル全面高となり、NZドルも他の通貨同様に売られています。
昨日のNZ中銀の金融政策発表後は40ピップス程度NZドルが買われ、その後緩んでも0.66台前半を維持していましたが、NY終値では0.66サポートと短期的な0.6550〜0.6840レンジのNZドル高トレンドの下限を切り、現在は0.6500にあるサポートを試す流れになっています。もしここも切れると0.6470〜80にある軽いサポートをこなす可能性があり、その後には0.6380〜90のサポートまで下値余地が広がります。一方で、上値は0.6560以上に戻さないと、これまでのNZドル高トレンドへの回帰はなさそうです。
(9月24日12:50、1NZドル=0.6535米ドル)
次回のNZの金融政策は2020年11月11日(水曜日)に予定されています。
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