上値重そうだがドルの戻り歩調は継続か(9/24夕)

24日の東京市場は、ほぼ横這い推移。ドルは戻り歩調にあるものの、105円半ばでは上値も重く上げ渋りの様相だった。

上値重そうだがドルの戻り歩調は継続か(9/24夕)

上値重そうだがドルの戻り歩調は継続か

〇ドル円、105.35レベルでオープン後、20ポイント程度のレンジ取引に終始
〇新型コロナ感染が欧米諸国で再拡大、ワクチン開発等と絡めて再び政治問題化か
〇本日の上院銀行委員会でのパウエルFRB議長とムニューシン米財務長官の証言に要注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.80-105.80

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場は、ほぼ横這い推移。ドルは戻り歩調にあるものの、105円半ばでは上値も重く上げ渋りの様相だった。

ドル/円は105.35円レベルでオープンしたものの、積極的な動意に乏しい。寄り付きレベルを中心に上下10ポイント、つまり20ポイント程度のレンジ取引に終始している。終わってみれば日経平均だけでなく、NYダウ先物など米株3指数も弱含みだったが、為替市場に与えた影響は限定的にとどまった。16時現在では105.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に、本日はオセアニア通貨が全般冴えない。豪ドル/円やNZドル/円は直近安値を更新する推移をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米経済・金融情勢」と「米中の対立」について。
前者は、昨日NY時間を中心に、通貨当局者などから発言が相次ぎ話題に。ポジティブなものとしては、FRB議長「考えられる全部の手段を実施」、シカゴ連銀総裁「米国の失業率は年末に7%まで回復」といった発言が観測された反面、ネガティブなコメントとして「米経済回復は脆弱、追加刺激策が求められる」(クリーブランド連銀総裁)、「インフレ率が2%に到達するまで利上げを検討しない」(FRB副議長)、「経済見通しはFOMCメンバーより悲観的」(ボストン連銀総裁)−−などと報じられていた。

対して後者は、引き続き両国の小競り合いが観測され物議を醸す。たとえば、中国外務省は、トランプ米大統領による国連総会での「新型コロナ責任論」発言に反発したうえで、「事実を直視せずデマをでっちあげ、中国を中傷している」と非難。また中国国家主席からも「国家主権、民族の尊厳が損なわれることを座視せず、断固として正当な権益を守る」とのコメントが聞かれていた。対して、米国サイドはポンペオ国務長官が、「中国のスパイ活動に関与している可能性のある同国の外交官に対し警戒するよう呼び掛けた」とする報道が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナの感染が欧米諸国で再拡大、ワクチン開発などと絡めて再び政治問題化しつつある感を否めない。たとえば、実際のコロナ対策として、英国がロックダウンに踏み切ったことに続き、フランスでも「パリでの集会制限措置」などが発表されている。その一方、米J&Jが開発中のワクチン候補が治験の最終段階に入ったと発表するなど、明るい兆しもうかがえるが、予断は依然として禁物だろう。欧米各国の政策対応には引き続き注目だ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。ただでさえ今週は週間を通して米通貨当局者などによる発言機会が多いが、本日はパウエルFRB議長とムニューシン米財務長官による上院銀行委員会での証言が実施される見込みで、まずはそれに要注意。また、米国ファクターもさることながら、前述した「新型コロナ再拡大」を含めた英欧情勢を警戒する声も少なくない。

テクニカルに見た場合、今週初め104円ちょうどまで一時下落していたドルだが、昨日105円台をしっかりと回復。本稿執筆時も105円台を維持している。これを持ち、下値トライが失敗しただけでなく、足もとはドルの戻り歩調にあるとみられ、さらなる戻りを見込む声も多くなってきた。問題は起点をどこにするのかだが、仮に6月高値109.85円とするなら、その間の下げ幅の38.2%戻しにあたる105.40円レベルを取り敢えずクリアしたことで、次の上値メドは半値戻しの106.20-25円となりそうだ。

本日は、8月の新築住宅販売件数や週間ベースの新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表される予定となっている。
ただ、もちろんそれらも要注意だが、前段で取り上げたFRB議長・米財務長官の議会証言をはじめ、要人による講演など発言機会が多く、その内容にも一応要注意。またスナック英財務相など英欧要人の発言を、波乱要因として挙げる声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.80-105.80円。昨日そして本日もここまでドルの上値をキャップしている105円半ばが最初の抵抗で、上抜ければ移動平均の21日線が位置する105.65-70円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでこれまで抵抗として寄与してきた104.80-90円が今度はサポートになるかどうかに注目。下回ると104.40円や104円ちょうどが再び視界内に捉えられかねない。

上値重そうだがドルの戻り歩調は継続か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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