豪州中銀金融政策記者発表(2020年9月1日開催分)
(出所:豪州中銀HPから)
本日開催の豪州中銀金融政策は従前の予想通り、キャッシュレートと豪州国債3年もののイールド目標を0.25%に据え置くことにしました。記者発表の内容は以下の通りです。
目新しい内容はあまりなく、豪ドルも過去2年間では一番高いとコメントしているだけで、現状を容認した形です。結果豪ドルは対米ドルで堅調になっています。
(要旨)
今日の会合で、理事会はキャッシュレートの目標と豪州債3年物の利回り目標を0.25%に維持することを決定した。またTerm Funding Facility(中銀の短期流動性供給)の増額とそのFacility期間の延長を決定した。
(Term Funding Facility:TFFに関する項目は略)
認定預金受入機関(AIDs)はTFFの下で520億豪ドルを引き出し、今後数週間で更に引き出されることになっている。今日までの動きでこのファシリティの下で合計金額約2000億豪ドルの利用をもたらした。これにより借入者の金利を低く抑え、AIDsにより信用供与を下支えした。
TFFや中銀が3月中旬に行ったその他(緩和)パッケージにより豪州経済を下支えした。豪州金融システムには非常に高水準の流動性があり、借入金利は歴史的に低い。国債市場は著しい発行増加で正常に機能している。過去1月で、中銀は3年物国債を25ベーシスに抑えるために豪州国債を100億豪ドル購入した。3月以降、中銀は合計610億豪ドルの国債を購入した。必要とあれば更なる購入を行う。イールド目標は、中銀目標の完全雇用とインフレ目標に向けて、その進展が見えるまで行う。
世界的に、2020年の上半期の厳しいマイナス成長後もでこぼこした回復が続いている。将来への回復の道のりはウィルスの抑制にかかっている。高まる感染率が幾つかの経済圏で成長のモメンタムを失くしている。対照的に、中国は成長率が比較的強い。金融市場では、ボラティリティが低く、多くの資産価格は、経済見通しの不確実性が高いにも関わらず、確りと上昇している。債券イールドは歴史的に低い。米ドルは多くの通貨に対してここ数ヶ月安くなった。このことや商品価格上昇により、豪ドルは高くなり、ここ2年間では最も高い水準である。
豪州では、経済の厳しい期間が続き、1930年代以降では最大のマイナスを経験している。厳しいけれど、その下方度合いは当初の予想ほど厳しくはない。豪州内の回復はほとんどの地域で進行中である。しかしこの回復はでこぼこしたものになろう。
雇用は6月・7月と増加した。それでもまだ失業や不完全雇用が高いままである。(ビクトリア州の項目は略)中銀の中央シナリオでは、失業率は2020年末で約10%、その後の2年間で7%方向に徐々に下がって行くと予想している。
賃金と物価圧力はまだ抑え込まれている。これはおそらくまだ続くだろう。インフレは今後2〜3年間で平均して1〜1.5%の間を予想している。
経済は過去6ヶ月間に亘る協調かつ前例のない緩和で、下支えられている。財政政策も重要な役割を演じている。豪州の公共部門のバランスシートはまだ良く、継続的なサポートができる。実際、財政と金融の支援は経済見通しや失業率の側面見ると、まだ暫く要求されるだろう。加えて、回復のための支援は豪州内の金融機関によりもたらされる。その金融機関のバランスシートは強く、高水準の流動性を利用できる。
理事会は豪州内の雇用、収入、企業を支援することを約束している。TFF含めた行動は、金利を低く抑え、家計や企業の信用供与を手助けしている。理事会は要求される限り高水準の緩和状態を維持することになり、経済下支えのためにはどの様な金融政策が更に必要かを考え続けるつもりである。完全雇用やインフレが目標とする2〜3%内に持続的に入ると確信できるまで、キャッシュレートを上げことはしないつもりである。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドル相場は金融政策発表後は豪ドルが堅調になり、20ピップス程度買われました。昨日のシカゴポジション245内で書いた、2019年9月と12月末高値を結んだ抵抗線0.7400を上抜きかけています。今日はそのシカゴも締日になり、しかも豪ドルはショートですので、ここで損切するのか、売り上がるのか注目されます。
もし上抜けた場合は0.7450、0.7480、0.7540の順に抵抗線があります。逆に今日の終値で0.74未満に押し戻されると、0.7350、0.7320〜30、0.7290の順にサポートが控えています。
(2020年9月1日15時30分、1豪ドル=0.7405米ドル)
オーダー/ポジション状況
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