安値圏から持ち直すも戻りは鈍い。米中対立リスクがランドの重石
〇南ア円週明け早々に安値5.95まで下落その後は南ア経済指標改善等で6.16まで反発
〇南アフリカランド円、テクニカル、ファンダメンタルズとも、下落リスクが警戒される
〇南ア国内の感染者数急増と米中対立先鋭化リスクが南アランドの重石に、一巡後の再反落に要警戒
〇来週の予想レンジ5.95ー6.25
今週のレビュー(8/10−8/14)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.01円で寄り付いた後、早々に週間安値5.95円(5/20以来の安値)まで下落しました。しかし、ボリンジャーバンド下限に続落を阻まれると、@世界的な株価上昇を背景とした楽観ムードの高まりや、A南ア6月製造業生産高(結果16.8%、前回▲44.3%)及び、B南ア6月小売売上高(結果▲7.5%、前回▲11.9%)、C南ア7月SACCI景況感指数(結果82.8、前回77.8)の持ち直し、D短期筋のショートカバー(ここ数週間売り込まれてきた南アランドのショートカバー)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値6.16円まで反発する展開となりました。もっとも、週末にかけては、E米中が8/15に予定していた通商合意の履行状況を精査するための会合が延期されたこと等が重石となり、結局6.13円前後まで小反落しての越週となっております。
来週の見通し(8/17−8/21)
南アフリカランド円相場は、7/22に記録した高値6.55円をトップに反落に転じると、今週初(8/10)にかけて、約2ヵ月半ぶり安値となる5.95円まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(今週発表される予定であった第2四半期失業率は発表延期)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染急拡大、E南アフリカ中銀(SARB)による追加利下げ観測など、南アフリカランド売りを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。新型コロナウイルスや米中対立激化に関するヘッドライン、欧米株や商品市況の動向を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(南アフリカ国内における感染者数急増と米中対立先鋭化リスクが南アランドの重石に。一巡後の再反落に要警戒)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):5.95ー6.25
南アフリカランド円日足
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先週のランド売りは国内要因よりも米中の対立激化を懸念した面の方が大きいように思えます。
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