豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)の予想
豪州の政策金利が明日4日(火曜日)に発表されます。
豪州準備銀行(中銀)政策金利予想(8月3日13時00分現在)
現行の0.25%を据え置き エコノミストのレンジはなし(全員0.25%予想)
豪州中銀は3月の臨時会合でキャッシュレートを0.25%に引き下げたのを最後に、8月もエコノミスト全員が据え置き予想となり5ヶ月連続の変更なしの見込みです。また、豪州債3年物利回りを0.25%付近に維持するイールドカーブコントロールを実施していますが、今回のエコノミスト予想もこの水準で据え置きと見ています。
先々の予想(下表)を見ても、前回7月時点ではエコノミスト全員が2021年3Qまで据え置き予想で、今回新たに加えた2021年4Qからは上方にレンジが加わりました。それでも中間値は0.25%据え置きになっています。
今回の注目点は
@ イールドカーブコントロールで豪州債を購入していたが、5月中旬以降は全く国債購入をしておらず、7月の金融政策会合時でも、最近の経済進展により購入していないことに言及しています。今回、購入開始の条件などに言及するのか、あるいは前回同様に様子見だけなのかを注目したいと思います。
A 7月の会合時で豪ドルは0.6950〜60米ドル付近で推移していましたが、その後1ヶ月後で高値との差は260ピップス程度まで豪ドル高になっていますので、為替に関するコメントにも注目します。もしコメントが出るとしたら、現状容認か豪ドル高懸念になりそうです。
政策金利推移(2020年7月末までと8月予想値…赤い線より右側)
エコノミストの先々見通しは下記となっています。
前回7月7日開催分の記者会見要旨の一部抜粋を添付します。また豪ドル米ドル相場については、6月小売売上高予想内をご覧ください。
(記者会見要旨一部)
『…(前略)豪州では、国債市場が効果的に運用されており、豪州3年国債は目標とする25ベーシス絡みにいる。これらの進展により、中銀は暫くの間、国債の購入をしなかった。今日までに購入は全部で約500億豪ドルである。中銀は再び国債購入の増額を準備しており、必要とあれば目標とする3年国債のイールド達成し、債券市場を機能的にするため、いつでも購入を行う用意がある。イールド目標は、完全雇用とインフレ達成目標に向けて前進するまで適切に行う。
中銀の市場オペは豪州金融システム内で流動性を高めるのを下支えし続けている。指定預金機関は、今現在、全引出額が150億豪ドルの資金提供機能を維持し続けている。今後もこの機能を更に使われることが予想されている。
豪州経済は非常に困難な時を過ごしており、1930年代以降で最大のマイナス景気を経験している。3月以降、政府支援プログラムにより多くの人が職を維持しているが、前例のない80万の人が職を失っている。しかしながら、最近はその状況が安定してきている。その下方圧力は以前予想したものよりは厳しく無くなっている。豪州の全労働時間は5月に下がった一方、その下落幅は4月に予想していたものより小さかった。感染の低下や多くの地域での制限解除により小売消費も持ち直した。
徐々に改善の兆候が見られるものの、経済回復の速度度合いはまだ不確実性が高い。健康状態や将来の経済の力強さに関して不確実性が多く、それが家計や企業の警戒心を形成している。そして消費や投資計画に影響を与えている。またパンデミックは多くの企業にビジネスモデルの再考を促した。幾つかの企業では再雇用で戻っている一方、その他はリストラクチャリングを行っている。
豪州において、強固で、協調しかつ前例のない財政・金融政策の緩和が、この困難な時期の経済を手助けしている。おそらくこの財政・金融支援は暫くの間続くことになろう。
理事会は雇用、収入、企業を下支えし、豪州での回復が確信できるまで何でもすることを約束した。その行動とは、借入コストを低く抑え、家計や企業の信用供与を下支えし続けることである。この緩和取り組みは必要とされる限り長く続ける。理事会は完全雇用やインフレが目標とされる2〜3%内に収まるまで、キャッシュレートを上げることはしないつもりである。』
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
次回金融政策発表は2020年9月1日(火曜日)に予定されています。
(8月3日15:30、1豪ドル=0.7123米ドル)
オーダー/ポジション状況
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