米6月消費者物価指数(CPI)の予想
本日、米国6月消費者物価指数(CPI)が公表されます。3月央からのコロナウィルスの拡大により3月〜5月は前月比で3連続マイナスになりました。下図(1)を見ると、今回6月は大きく反発していますが、6ヶ月移動平均線はまだ水面下です。また前年比では1%未満に留まり、コアでも低下しています。5月小売売上高(前月比+17.7%)を中心に5月の米経済指標は大きく改善をみせており、これまでの傾向が続くのか、今週はこのCPIを皮切りに多くの指標が発表されます。現在の米国はコロナウィルスの感染再拡大の兆しとなっており、ここまで金利が緩んできましたが、まず今日の物価指数でどの様に反応するか注目されます。現状では予想を大きく上回る物価高となればドルには好材料として反応する可能性が高いと思います。
2020年7月14日9時現在予想
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。6月は予想通りなら大きく反発(青)していますが、6ヶ月移動平均線(オレンジ)はまだ▼0.1%の水準で3ヶ月連続のマイナスです。尚、過去には2014年11月に5ヶ月連続のマイナス(エボラ出血熱の影響)になりました。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑より右は今回予想値)
上図は前年比ベースのCPIとPCEインフレのコア数値です。両者はある程度相関しており、CPIはまだ下降しています。PCEコアは4月と5月が横這い傾向になっていますので、これだけ見ると、CPIも下げ止まりの可能性があります。それでもFRBのインフレ目標(PCEコアで2%)からはほど遠い数値になっています。(注:CPIは米労働省統計局が発表し、世帯調査に基づく家計消費に関し、その購入に関わる費用の変化をみたもの。PCEは米商務省統計局が発表し、主に事業所調査に基づいての消費構造の変化をみるもので、PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広いのでFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の日足です。6月23日底値から上げたラインAは下抜け、その後は6月初旬高値からのラインB(=107円60銭)を抵抗線としてドルが下がっています。このBと平行に下したラインC(=106円60銭)があり、1円レンジ幅でのドル安です。このままいけば時間経過でラインD(=106円)まで下がっていく形になります。もしDを割ると、いよいよ3月中旬のドル乱高下からの収斂抜けになりそうです。逆に、上値のBを抜いてくると最初がラインE(=108円30銭)、次いでラインF(=109円70銭)とラインG(=109円90銭)が視野に入ってきます。
今日からのCPIを皮切りに、相場が走り始めるのか、引き続き1円幅中心のレンジ収斂を繰り返すのか、相場はかなり煮詰まってきている感じです。
(7月14日12:35 1ドル=107円15銭)
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