トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、トルコリラ円は直近のレンジを考量して「15.50レベルをサポートに、15.80レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは安値が15.59レベル、高値15.78レベルと、予想レンジ内で思ったよりは底堅い印象の一週間となりました。
先週のトルコリラ関連ニュースでは、1日にムーディーズが格付け引き下げの可能性を示唆したこと、3日に発表されたCPIが年率で12.09%と前月よりも高く、政策金利は実質マイナスといったあたりですが、反応は鈍く週前半に上げた動きに対して狭い値幅の中で行って来いになった程度で積極的なトルコリラ売りに繋がったとも思えません。週明けもわずかですが反発する動きを見せています。
ひとつ気になったニュースとしては自動車需要の激減でドイツのフォルクスワーゲン社が1日にトルコ国内の工場建設を撤回したことです。もともと同社はトルコによるシリアでの作戦を受け昨年秋時点で工場建設を保留していましたが、その後のコロナ禍で白紙撤回となりました。そしてこの決定直後に、トルコ政府はドイツの主要自動車メーカー5社に対して独禁法違反の疑いで調査を開始しています。トルコと欧州はこれまでも対立要素がありましたが、新たな対立要因につながる可能性もありそうです。
今週は金曜に発表される失業率程度でそれほど目立った材料はありませんので、上下とも最近のレンジを抜ける流れは出て来ないと言えそうです。テクニカルには、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
6月中旬以降のトルコリラ円は15.50と15.78の中でどちらにも抜けられない横方向への動きが続いています。現在の水準もそのレンジの中ほどに近く、今週も方向感が出てくるとは思えません。今週も先週と同じく直近のレンジを考量して15.50レベルをサポートに、15.80レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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