ニュージーランドドル週報(2020年5月第3週)

NZ/円、強い上値抵抗にぶつかった状態。下値リスクに注意。

ニュージーランドドル週報(2020年5月第3週)

NZ/円、強い上値抵抗にぶつかった状態。下値リスクに注意。

〇NZ中銀は予想通り政策金利を据え置き債券買い入れ枠を拡大
〇しかし中銀総裁がマイナス金利検討に言及サプライズとなりNZD急落対円では63円台に
〇ウイルス早期封じ込めに成功したニュージーランドも経済悪化は避けがたく景気回復には時間要するか
〇NZ円は3/19の59.51から反発するも66円の壁に阻まれ64-66レンジでの上下動
〇日足は下値リスクがやや高い形、短期トレンドはニュートラルだが中期はやや悪化している

5/13、NZ中銀は政策金利(オフィシャル・キャッシュレート)を市場の予想通り0.25%に据え置きました。また債券買い入れ枠を現行の330億NZドルから600億NZドルに拡大しました。ここまでは市場予想の範囲内ですが、中銀総裁が記者会見で将来のマイナス金利導入の可能性について、「他のツールとともに検討する」としたことはサプライズで、この発言を受けてNZドルは対米ドルで0.6098から約100ポイント、対円でも65.30近辺から63円台後半まで急落しました。ニュージーランドは早期対応により新型肺炎ウィルスの封じ込めに成功しましたが、この間の経済の悪化は避けがたく、景気回復には時間を要すると見られています。

チャートを見ると、日足は3/19に付けた59.51で一旦底打ち、反転に転じましたが、66円台の抵抗には何度かぶつかっており、64〜66円のレンジ内で上下動を繰り返す流れとなっています。直近の日足(14日)が小陽線で終え、63.90-00の日足の抵抗を実体ベースで守って終えていますが、前日足が、金融政策決定会合の結果を受けて値幅のやや大きい陰線で引けており、下値リスクがやや高い形となっています。

短期トレンドは“ニュートラル”な状態ですが、64円台を維持できずに終えた場合は下値リスクが点灯、63.50割れで終えた場合は短期トレンドが変化して一段の下落に繋がり易くなります。逆に可能性がやや低いと見ますが66円台を回復して終えた場合は下値リスクがやや後退、66.50超えで終えた場合は強い状態に戻して一段のNZ上昇に繋がり易くなります。日足の上値抵抗は64.50-60、65.10-20、66.00-10に、下値抵抗は63.90-00、63.50-60にあります。21日移動平均線は64.73にあり、若干下抜けており、下値リスクが点灯中です。また120日、200日線は68.53と68.55に位置しており、中期トレンドは“NZ弱気”の流れに変わりありません。

一方直近の週足は高値圏で引ける陽線が出ており、上値余地を探る動きに繋げていますが、66円台に乗せきれずに反落しており、週足の形状も悪化し始めています。66円台を回復して越週しない限り、下値リスクにより警戒する必要があります。今週の週足の上値抵抗は65.40-50、66.00-10に、下値抵抗は64.00-10、63.50-60にありますが、64円割れで越週した場合は下値リスクが点灯、63.50割れを見た場合は“NZ弱気”の流れに戻して下落余地が拡がり易くなります。31週、62週移動平均線は68.67と70.03に位置しており、中期トレンドは“NZ弱気”の流れに変わりありません。

NZ/円、強い上値抵抗にぶつかった状態。下値リスクに注意。

NZドル/円【週足】:(5/14現在31週、62週移動平均線は68.67と70.03にあり、中期トレンドは“NZ弱気の流れ”にある。)

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