ドルインデックス急上昇 3月20日アップデート
ドルが全ての通貨に対して急激に上昇する展開を見せ、2017年1月高値の103.82を抜け20日アジア市場で103.83をつけました。これは2002年12月以来のドル高値です。以下の月足チャートをご覧ください。
ドルインデックス月足
ドルインデックスは2008年4月に長期的な安値となる71.05をつけ、そこからは着実に上昇し2017年1月にここ数年の高値となる冒頭の103.82をつけました。その後はトランプ大統領によるドル高牽制発言等もあって2018年2月には88.15まで下げましたが、その後はドル高地合いが続き、今年2月時点で99.82と100の大台間近の水準にまで上昇しました。
そして今週月曜未明のFRBによるゼロ金利への緊急利下げです。月曜週報では「石油備蓄の話とつなげると米国の大手石油産業で危ないところが出てきている、そしてその会社に融資している米銀で破綻のリスクがでているところがある」といった憶測を書きましたが、その後出てきたネームはボーイングでした。しかし、ボーイングが危機的な状況ということは、航空会社も石油関連もという流れは考えられ、資金市場におけるドル不足が深刻な状況です。
資金市場でドルが調達できない場合、最後の手段として為替変動リスクを無視しての為替スポット市場でのドル買いということになりますが、日本でも欧州でも世界的にドル買いが続いたことで今回の2002年以来のドル高という状況になっています。何しろ原因が資金不足によるドル買いですから簡単に留まることはあり得ません。実体経済の回復には新型コロナウイルスの感染終息が必要となることを考えると、どこまで上がるのか。
テクニカルには2001年7月高値の121.29と2008年4月安値の71.05の78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる110.54がターゲットとなります。これは、本日の高値103.83から考えると約6.5%高い水準となります。今朝のドル円高値111.36に6.5%を乗せると118円台半ばとなりますが、果たしてこの世界的に悪いドル高がどこまで続くのか、年初からの激しい振れを考えるとあり得ない水準とも言えない感じがします。
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