ドル円、資産現金化需要に伴うロスカット主導で111円手前まで急上昇(3/20朝)

19日(木)の外国為替市場でドル円は急伸。

ドル円、資産現金化需要に伴うロスカット主導で111円手前まで急上昇(3/20朝)

ドル円、資産現金化需要に伴うロスカット主導で111円手前まで急上昇

海外時間の為替概況

19日(木)の外国為替市場でドル円は急伸。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(現金化需要に伴うドル買い)や、A米主要株価指数及び原油価格上昇に伴う円売り・ドル買い、B米長期金利上昇に伴うドル高圧力(財政赤字拡大懸念)、Cショート勢によるロスカットの発動(円ショートの解消)、Dオプション勢によるトップサイド(110円より上側)のショートガンマ(ドル円が上昇すればするほどドル円ショートが出てくることから、ロスカットを強いられる状態。事実、リスクリバーサルは円コールオーバーが急縮小)が支援材料となり、米国時間には、2/25以来、約1ヶ月ぶり高値となる110.96まで急伸しました(アジア時間に記録した日通し安値108.20から2円76銭の急上昇)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6時30分現在)では、110.81近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は大幅下落。@新型コロナウィルスの欧州圏での感染拡大を受けたリスク回避ムードの高まり(イタリアにおける死者数が中国を超えたこと)や、AECB(欧州中央銀行)による7500億ユーロの緊急債券買い入れプログラムの発表、B米長期金利の上昇を受けたドル高の流れが重石となり、米国時間には、2017年4月18日以来、約2年11ヶ月ぶり安値となる1.0655まで急落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間6時30分現在)では、1.0671近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、3/9には、一時101.19(約3年4ヶ月ぶり安値)まで急落しました。しかし、米財政赤字拡大懸念を背景に米長期金利が上昇に転じると、昨日は一時110.96まで反発するなど、僅か8営業日で10円近く上昇する歴史的大相場が繰り広げられております。この間、一目均衡表転換線及び基準線、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線、一目均衡表雲下限及び上限を突破した他、強い売りシグナルを表す三役逆転も終了するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を意識させるチャート形状へと変化しました。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや(追加緩和手段に乏しい日本)、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(昨日発表された米新規失業保険申請件数及びフィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想外の大幅悪化)、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残存している状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にみて「上昇圧力(ロスカット主導)」が強まっているものの、ファンダメンタルズ的な弱さを考慮すれば、「一巡後の反落リスク」が警戒されます。米財政赤字拡大懸念やリスク回避ムード(現金化需要)を背景にドル全面高の流れが続いていますが、ここから先は、「リスク回避のドル高→クロス円下落→ドル円下落」といった時間差での「ドル売り・円買い」に注意が必要でしょう。米株・米長期金利及び原油価格の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、米経済指標の結果を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトライした後に反落する展開を想定。本邦祝日中のアジア時間に上昇して、海外勢参入後に下落するシナリオをイメージ)。

本日の予想レンジ:108.00ー112.00

ドル円、資産現金化需要に伴うロスカット主導で111円手前まで急上昇

ドル円日足

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