トルコリラ円見通し ドル高リラ安進んで3月9日朝安値に迫る(20/03/13)

トルコリラ円は3月9日に16.26円まで急落して3月2日安値を割り込んだが、その後は持ち直しに入り11日未明には17.26円まで戻り高値を切り上げた。

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トルコリラ円見通し ドル高リラ安進んで3月9日朝安値に迫る(20/03/13)

【概況】

トルコリラ円は3月9日に16.26円まで急落して3月2日安値を割り込んだが、その後は持ち直しに入り11日未明には17.26円まで戻り高値を切り上げた。ドル円の急落が一服したこととドル/トルコリラでのドル高一服が重なったためだが、11日以降はドル円が揉み合いでの推移となる中でドル/トルコリラでのドル高リラ安が進んだために下落に転じている。
3月12日もドル円はトランプ大統領演説への失望で103.07円まで下げたものの13日未明には106.09円まで戻して11日未明高値105.91円をわずかに上抜く円安となった。しかしドル/トルコリラは高値で6.3207リラへ急騰して前日比では1.73%のドル高リラ安となりトルコリラ円を押し下げたため、トルコリラ円は13日早朝には16.50円まで続落して3月9日安値に迫っている。

【世界連鎖株安が新興国株・通貨を直撃】

3月12日のNYダウは前日比2352.6ドル安と大幅下落して1日の下げ幅としては3月9日に前日比2013.76ドル安で記録したばかりの過去最大記録を更新した。世界連鎖株安には歯止めがかからず、12日午前のトランプ米大統領による感染対策演説も英国を除く欧州からの渡航禁止を一方的に宣言するもので、景気対策も期待を盛り上げることに失敗したために株安を助長している。
NYダウ大幅下落を中心とした世界連鎖株安は日々深刻化しており、特に新興国株安は悲観的なものになっている。
トルコのイスタンブール100株価指数は3月12日に前日比7.26%安と暴落した。3月6日から11日まで4日間の続落で11日には2月28日安値を割り込んで年初来安値を更新していたが、12日はさらに一段安となり暴落商状が深刻化してきた。金融市場全般がリーマンショック並みの悲観売りに見舞われればリスクの高い新興国通貨・株が集中的に売られるがトルコリラもトルコ株もその対象となってきている。

ドル/トルコリラは3月2日に6.2615リラの高値を付けて2019年5月高値6.2539リラを超えた後は反動安で3月3日安値6.0307リラまで下げたが、その後は新興国通貨売りが進み、3月9日から12日へ4連騰のドル高リラ安となった。既に2019年5月高値を超えているため、チャート上の上値目途となる高値は2018年8月高値7.2349リラまで見当たらなくなっているが、月足は今月で6か月連続の陽線での上昇であり、3月12日の急騰により一段とドル高リラ安が加速度を増しているため、リラ暴落的な水準に入りつつあると警戒するところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月9日午前安値からの反騰により10日午前時点では3月2日朝安値から5日目となる3月9日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして、3月6日夜から10日深夜にかけての間への上昇を想定した。しかし、11日未明まで戻り高値を切り上げた後は失速気味だったために11日午前時点では既にサイクルトップをつけた可能性があるとし、12日朝へジリ安基調が続いた。そのため12日午前時点では11日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして3月12日の日中から16日午前にかけての間への下落を想定した。13日早朝へ一段安となり、その後も戻しきれずにいるのでもう一段安余地ありとみるが、前回サイクルボトムから4日を経過しているので13日未明高値16.91円超えからは強きサイクル入りとして14日未明から18日未明にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では11日夜の下落で遅行スパンが悪化し、12日昼前の下落で先行スパンから転落した。その後も両スパンそろっての悪化が続いているので、遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、強気転換は両スパン揃って好転するところからとする。

60分足の相対力指数は12日午前安値から13日早朝への一段安に際して指数のボトムが切り上がっているので強気逆行の可能性がある。50ポイントを超えないうちはもう一段安へ進みかねないが、50ポイント超えからはいったん戻しに入るとみて60ポイント台への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、3月9日午前安値16.26円を下値支持線、3月13日未明高値16.91円を上値抵抗線とみておく。
(2)16.91円以下での推移中は3月9日午前安値割れへ進む可能性があるとみて、底割れからは16.00円、さらに15.70円台への下落を想定する。15.75円以下は反騰注意とするが、16.70円以下での推移なら週明けも安値を試しやすいとみる。ただし、クロス円市場全般の傾向として週明け朝に一段安した後は戻しやすい点に注意する。
(3)3月13日未明高値16.91円を超える場合はいったん強気サイクル入りとして11日未明高値17.26円試しを想定するが、17.10円以上は反落警戒とし、その後に11日以降の安値を割り込むところからは新たな弱気サイクル入りとなる点に注意する。

【当面の主な経済指標等の予定】

3月13日
 16:00 1月鉱工業生産 (12月 8.6%)
 16:00 1月小売売上高 前月比 (12月 1.1%)
 16:00 1月小売売上高 前年比 (12月 11.0%)
3月19日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 10.75%)

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