『ムボウェニ南アフリカ財務相による予算発表がメインイベント』
今週のレビュー(2/17−2/21)
今週の南アフリカランド円相場は、週初7.38円で寄り付いた後、@新型コロナウィルスの感染拡大に端を発した世界的なリスク回避ムードや、Aムーディーズによる2020年の南アフリカ経済成長見通しの下方修整(1.5%→0.7%)が重石となり、翌2/18に、約1週間ぶり安値7.27円まで下落しました。しかし、2/7安値7.24円や、1/31安値7.20円(約3ヶ月ぶり安値)を前に下げ渋ると、B新型コロナウィルスの感染者数の増加ペースが鈍化したことや、C対主要通貨で円売りが加速したこと(※ドル円は2/18安値109.66から2/20に112.21まで急伸)、D南ア・1月消費者物価指数(結果4.5%、予想4.4%)が市場予想を上回ったこと等が支援材料となり、週末にかけては、高値7.47円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、7.44円近辺で推移しております。
来週の見通し(2/24−2/28)
南アフリカランド円相場は、1/31に記録した安値7.20円(約3ヶ月ぶり安値)をボトムに反発に転じると、2/21には一時7.47円まで反発しました。2/7安値7.24円、2/18安値7.27円と段階的に下値を切り上げるなど、テクニカル的にみて、やや底堅さを意識させるチャート形状となりつつあります(但し、強い売りシグナルを表す三役逆転は継続中)。
しかし、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(IMFやムーディーズは南アフリカ経済見通しを大幅に下方修正。また新型コロナウィルスに端を発した中国経済の減速懸念も対中依存度の高い南アフリカに下押し圧力を加える恐れあり)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速への連想)、B米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、Cムーディーズによる格下げリスク(2月に予定されている南ア・予算発表で財政健全化見通しが示されなければ、ムーディーズは3/27に格下げに踏み切る可能性あり。格下げとなればWGBIからの除外を通じて、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされる可能性も)、D中東を巡る地政学的リスクなど、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。ムーディーズによる格下げリスクや、経済的な結びつきの強い中国経済の減速懸念が燻る中で、南アランドの上値余地は乏しく、来週は、新型コロナウィルスに絡むヘッドラインや、南アフリカ経済指標(生産者物価指数や貿易収支)、2/26に予定されているムボウェニ南アフリカ財務相による予算発表を睨みながらも、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(財政健全化の道筋が示されなければ、2月の格下げリスクが濃厚となり、南アフリカランドが独歩安となる恐れもあり)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.05ー7.55
南アランド円日足
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