米11月雇用統計予想(日本時間2019年12月6日22時30分発表予定)

本日米失業率関連の指標が発表されます。

米11月雇用統計予想(日本時間2019年12月6日22時30分発表予定)

米11月雇用統計予想

本日米失業率関連の指標が発表されます。今回の予想値は下記となっています。

米11月雇用統計予想

(今回発表予想)12月6日9時現在

@	失業率

@ 失業率

10月の失業率は予想通りの結果になりました。11月も前月と同じ数値予想になって
います。但し、レンジでは3.8%までの悪化方向を予想しているエコノミストもいま
す。とはいえ仮に3.8%になっても、NFPや平均時給が悪化しない限りは一時的と捉
えると思います。但し、レンジ越えは上下共にサプライズになりそうです。
上図を見てもオレンジの米国は2月以降3.6〜3.8%レンジで横這いになっています。
欧州(青)は横這い傾向、日本(灰色)は若干悪化傾向になっています。
(黒線の右側は今回の米国失業率予想を加味しています)

A	非農業部門雇用者数(NFP)

A 非農業部門雇用者数(NFP)

10月のNFPは予想を大きく上回る数値になりました。10月は結果12.8万人(予想8.5万人)となり、しかも9月は当初の13.6万人が18.0万人に上方修正され、この分を勘案すると10月の実質は17.2万人と予想の倍増でした。
今回11月は18.3万人の予想ですので、もし予想通りの数値がでると米国NFPはここ数ヶ月間かなりの好調さを継続することになります。それでも直近1年間を集計したADPとNFP(上記チャートの青い矢印)では2018年後半をピークに両指数とも下降トレンドを継続しています。予想レンジも7万人〜23.7万人と大きく開いており、先月に続きサプライズの可能性が高くなります。

さて、今回もADPとNFPの比較をしてみます。上記チャートを使い、青:NFP、オレンジ:ADP社となっています。ここ1年間を見るとNFPとADPがほぼ同じ程度の伸びを辿っています。(注:繰り返しますが、本来は公務員も含むNFP>ADPが基本です。ここ最近は約1〜3万人程度が公務員分となっています。上図でも9月・10月はNFP>ADPになっています)
ADP社は2018年12月〜2019年11月までで191.5万人、NFPの2018年12月〜10月が189.7万人で、単純比較ではこの誤差1.8万人が予想されます。

また11ヶ月間の両者の平均誤差が5.3万人(NFP>ADP)ですので、ADP社にこの人数を加えると196.8万人となり、NFPの11ヶ月分が189.7万人ですから11月は7.1万人が推計されます。またここ6ヶ月間の誤差は平均+1.6万人(NFP>ADP)で、ここから勘案するとNFPの11月分は3.4万人になります。予想レンジとしては1.8万人〜7.1万人が推計されます。仮に公務員分の1〜3万人を加えても上限は10.1万人に留まります。
前回は市場予想8.5万人に対しここでは8.9〜18.4万人予想となりましたが、実際は過去数値修正を加えたものが17.2万人でしたので、偶然にもうまくいきました。今回は市場予想が18万人に対して僅か1.8〜7.1(or10.1)万人予想ですので、前月実績数値の下方修正とかが無いとここまで下がらないかもしれません。

B 平均時給

10月平均時給は予想を下回る+0.2%になりました。市場はほぼ予想範囲内と捉え、NFPの好数値に反応しました。今回も0.3%予想ですが、エコノミストレンジ内に留まれば、あまり材料視されないと思います。因みに年率ベースでは10月+3.0%で、11月も3.0%予想(レンジ+3.0〜+3.2%)ですので、予想通りなら米国消費は堅調推移を辿っています。

ドル/円相場は上昇ウェッジの下限ラインが108円80銭付近まで上がり、このまま行けば実体部分でサポート下抜けの確認ができます。ウェッジ自体は現在108円82銭〜110円05銭になっており、若干の誤差を見ても108円70銭未満でのNY終値で確認になります。
上値抵抗線は109円00銭〜10銭、109円50銭〜60銭、110円00銭〜10銭の順にあります。下値サポートは108円40銭、107円90銭〜108円10銭にあります。
今日の雇用統計で予想通りになれば、米経済の巡航速度確認との見方からドル強含みになりそうです。また、来週11日水曜日がFOMC、12日がECBと金融政策のビッグイベントを控えており、その意味で今日の数値が予想通りなら、FRBの利下げ思惑は少なくなると思われます。
(2019年12月6日11:15、1ドル=108円70銭、1ユーロ=1.1108ドル)        
(以上)

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