2週連続で方向感に欠ける展開。主体性を欠きつつもリスクは依然下向きか
今週のレビュー(11/11−11/15)
今週のトルコリラ円相場は、週初18.95円で寄り付いた後、香港情勢の悪化や、米中リスクの再燃、米土首脳会談を前にした警戒感などから、週明け早々に、安値18.79円まで下落しました。しかし、@トルコ・9月経常収支(結果24.8億ドル、予想20.0億ドル)が市場予想を上回ったことや、Aトランプ米大統領とエルドアン土大統領が共に「(会談は)前向きに終わった」と発言したこと(※S400については深刻な問題と触れつつも、具体的な言及には及ばなかった)等が好感されると、週央にかけて持ち直す展開に。11/13には、一時18.98円まで上昇する場面も見られました。もっとも、心理的節目19.00円付近では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、引けにかけて再び反落。B良好なトルコ・9月鉱工業生産(結果3.2%、前回▲2.8%)への反応は殆ど見られず、本稿執筆時点(16日午前5時50分現在)では、18.94円付近で推移しております。
来週の見通し(11/18−11/22)
今週のトルコリラ円相場は、週を通して方向感に欠ける値動きとなりました。週間高値と週間安値の差が僅か0.19円に留まるなど、前週(0.23円)同様、主体性に欠ける展開が続いております。日足チャートを確認すると、@10/31に記録した高値19.12円をトップに緩やかに上値を切り下げてきており、レンジ相場ながらも、やや上値の重さが意識されるチャート形状となりつつあります。但し、下値では、一目均衡表雲上限(18.79円)に確り死守されており、また、強い買いシグナルを表す三役好転も継続中であることから、上昇トレンドの途中で見られる「踊り場」と捉えることも出来ます。レジスタンスとして意識される200日移動平均線(19.12円)を先に突破するのか、或いは、サポートとして意識される一目均衡表雲上限(18.79円)を先に割り込むのか、市場参加者はその瞬間を虎視眈々と狙っている状況です(どちらか抜けた方向に相場が走る可能性大)。まさに嵐の前の静けさと言えそうです。
以上の通り、トルコリラ円相場は、足元方向感を見出しづらい時間帯が続いていますが、ファンダメンタルズ的に見ると、一巡後の反落リスクが警戒されます。米中を巡るヘッドラインが二転三転していることも、ドル円の伸び悩みを通じてトルコリラ円の上値を抑制しそうです。来週は、トルコの経済イベント等が予定されておらず、引き続き主体性を欠いた値動きが予想されます。米中関連報道や、グローバルな株価動向に振らされながらも、来週はやや下落リスクに警戒が必要でしょう。
来週の予想レンジ TRYJPY 18.50ー19.10
トルコリラ円日足
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